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 日蓮大聖人の仏法立てねば全ては虚し

    集団的自衛権行使もかえって裏目に

    アメリカの戦争の下請け・傭兵となる

                     顕正新聞 6月5日号 (1311) 「集団的自衛権特集号
 
 きょうの総幹部会も大感動ですね。「体験発表」も、「正義にめざめて」も、「活動報告」も、代表決意も素晴らしい。一人ひとりが信心の歓喜と確信に満ち満ちている。
 これが、広宣流布に戦う地涌の菩薩の大集団なのだと私は感じております。
 顕正会では、昔、年次総会を開いておりましたが、いまの月々の総幹部会は、この総会以上の内容です。それだけ顕正会のテンポが早くなってきたのです。
 広宣流布のその日まで、この総幹部会を月々の前進の節として、油断なく開催していきたいと、私は思っております。
 
 「属国的平和」は もはや持続不可能
 
 さて、国難元年もいよいよ中盤の六・七月を迎えました。初陣の二・三・四月は大歓喜の中に空前の大祈伏が成されましたが、この中盤の法戦、さらに一段と明るく力強く前進したい。
 国難元年に入って、世界も日本も、その動き、まことに目まぐるしいですね。
 中国の東シナ海・南シナ海での侵略意図は日ごとに露骨さを増している。ロシアもウクライナで虎視坦々、何か起こるかわからない。
 そして気がつけば、日本は中国のミサイル攻撃態勢により、すでに喉元に七首を突きつけられている。
 戦後七〇年、アメリカの保護により成り立っていた日本の「属国的平和」は、もう持続不可能になってきたのです。
 そこで安倍首相は焦って、集団的自衛権の行使容認を以て、なんとかアメリカとの同盟強化を図ろうとしている。だが、もうそのような小手先の小細工ではどうにもならないのです。
 今後、歳を逐うごとに日本の危機は増大し、そのまま亡国の二〇年代に突入すると私は思っております。

 日本を救わんと仏弟子の大集団立つ
 
 その中、日本を救わんと、日蓮大聖人の弟子の大集団・顕正会が、いま大事の二百万をめざし、脇目もふらず驀進しているのです。
 学会も宗門も、信心うすきゆえに魔にたぶらかされ、すでに大事の御遺命を抛ってしまった。
 今、大聖人仰せのままに、「国立戒壇建立」を高々と掲げて折伏を行じているのは、顕正会以外にはない。だから顕正会員は功徳を頂くのであります。
 迎える六・七月の折伏弘通の誓願は「一万五千」といたします。
 大聖人様は顕正会の死身弘法をじっと御照覧あそばす。
 さあ、誇りと歓喜と大情熱で誓願を大きく突破して、何としても大聖人様に応え奉りたい、こう念願しておりますが、みなさん、どうでしょうか。(大拍手)
 

 集団的自衛権の行使容認について

 
 さて、安倍首相は集団的自衛権行使容認のため憲法解釈変更へと、本格的に動き出しましたね。五月一五日には記者会見もしております。
 この集団的自衛権行使ということは、国論を二分するほどの大問題になって当然です。しかし政権のマスコミ統制が功を奏しているのか、一般国民の関心は低い。
 安倍政権は、アベノミクスという麻薬で国民が夢を見ているうちに、秘密保護法案を一気に可決したごとくに、集団的自衛権の行使容認も一気にやろうとしている。憲法改正は抵抗が多くて煩いから、憲法解釈の変更で行こうというわけであります。
 
 米国の下請け 傭兵となる
 
 私は憲法第九条だけを守っていれば平和、という考えには与しない。これは空虚な観念論です。
 だが、安倍首相の進めている集団的自衛権行使はさらに危ない。
 日蓮大聖人の仏法を立てなければ、すべてが裏目に出るのです。かえってアメリカの戦争の下請け、アメリカの傭兵となる恐れがある。所詮、「立正安国」以外にはないのであります。
 

 集団的自衛権の行使とは

 
 では、集団的自衛権の行使とはどういうものかというと――
 自分の国が攻撃されていなくても、密接な関係にある国が他国から攻撃されたら、その攻撃を武力で阻止するということ。
 端的にいえば、日本が攻撃されていなくても、同盟国・米国を守るために自衛隊が海外で戦うということであります。
 
 感情論の説明
 
 これを説明するために、安倍首相は一五日の記者会見では具体例をパネルで説明していましたね。パネルにはわざわざおじいちゃん・おばあちゃんの絵まで付け加え「紛争国から在外邦人を輸送するアメリカの艦艇の防護」という例を出して、「逃れようとしているのが、お父さんや、お母さんや、おじいさんや、おばあさん、子供たちかもしれない。これを守るんです」と言った。まさに論理でなく感情論での訴えでした。
 これは、北朝鮮から韓国が攻撃された場合を想定してのことなのでしょうが、このことはすでに一九九三年、北朝鮮が核拡散防止条約(NPT)脱退を表明したとき、首相官邸の指示を受けて防衛庁統合幕僚会議が、在外邦人の救出計画を作っているのです。
 それによれば、自衛隊の輸送機やヘリコプター、輸送艦を総動員して、ソウル・仁川・釜山の空港・港湾から四日間で救出できるとしている。これは米軍に頼らず自衛隊だけでやるという救出計画です。
 安倍首相は情に訴えてでも集団的自衛権行使を、という姿勢がミエミエでした。
 
 在中邦人はどうする
 
 私はこの説明を聞きながら思った。もっともっと大きな問題があるではないかと。
 それは在中邦人のことです。中国に進出している日本の企業数は、平成二四年末で二万三〇九四社、従業員数は一五万〇三九九人ですよ。在韓邦人とは比較にならぬ多数です。
 もし中国の侵略が始まって国家主席から国防動員法が発令されたら、十数万人の在中邦人はそのまま人質になる。いや動員されて人民解放軍の統制下に入ってしまう。どうして、差し迫るこの危機を見ようとしないのか。
 
 「公海上の米艦船を守る」
 
 また安倍首相が挙げていた「日本近海の公海上で、米軍の艦船が、ある国から攻撃されても自衛隊は守れない」という事例も不適切です。
 もしそんな事態が起これば、その「ある国」と米国は全面戦争に突入して、在日米軍基地も攻撃対象になる。米国を助けるどころか、日本が戦争状態になってしまうではないか。
 このことについては、元防衛官僚で小泉政権から麻生政権までの五年間、内閣官房副長官補として、安全保障危機管理を担当してきた柳澤協二氏は、次のように指摘しております。
 「米軍を本気で攻撃する相手がいるとしたら、米艦艇ではなく、在日米軍基地をたたく。攻めるなら横須賀基地を攻めますよ。日本だって真珠湾を真っ先に攻撃したのは、停泊している海軍がいちばん脆弱と知っていたからです。横須賀基地が攻撃されれば、それはもう日本有事になる。素人が、国民受けしやすい事例ばかり考えているから、米国も望んでいない、防衛官僚だったら恥ずかしくて言えないような事例ばかり出てくる。妄想とは言わないまでも、素人が無理やりつくりだした理屈で、とうてい理解できない」(週刊朝日、2014・5・30)と。
 痛烈な批判ですね。しかしこれが道理です。
 安倍首相は福島原発事故においても「アンダーコントロール」とか「完全ブロック」とか、聞くに堪えないデタラメを平然と口にしていたが、これも無知で無責任だから言えたのです。
 
 「米国へのミサイル迎撃」
 
 また「北朝鮮から米国を狙うミサイルが発射されたら、自衛隊は迎撃ミサイル等で撃ち落とさなくていいのか」とも述べていたが、これもおかしい。
 もし北朝鮮が米国本土を狙うとすれば、そのミサイルは日本上空を飛ぶのではなく北極圏上空を飛ぶ。地球儀で見ればわかる。またハワイやグァムの米軍基地を狙うとすれば、これも撃ち落とせない高度を飛ぶから、日本の迎撃ミサイルは役に立たない。
 
 「親しい友達を助ける」
 
 また石破茂自民党幹事長は集団的自衛権行使の必要についてこう言った。
 「親しい友だちが強盗に襲われたら、助けるのは当り前じやないか。集団的自衛権行使もそれと同じだ」と。
 これもおかしい。「親しい友だち」とはアメリカなのでしょうが、アメリカは強大な核戦力を持ち、陸・海・空にわたってその戦力は、内向きになったとはいえ今なお世界最強ですよ。そのアメリカが、日本に守られないと強盗に襲われて困るというようなことは、話が逆です。
 

 アメリカに守ってもらいたい

 
 安倍首相はこのようなおかしな理屈で、遮二無二、集団的自衛権の行使容認を急いでいるが、その真意はどこにあるのかと言うと、「何としてもアメリカに守ってもらいたい」ということなのです。
 彼は中国の侵略に脅え、どうしてもアメリカに守ってもらう以外にないと思っている。それには集団的自衛権を行使してアメリカの戦争に協力し、「血を流す」ほどの忠義立てをしなければ――と思っているのです。
 
 血を流さねば・・・
 
 安倍首相は「この国を守る決意」という本の中で、こう述べている。
 「今の憲法解釈のもとでは、日本の自衛隊はアメリカが攻撃されたときに血を流すことはない。……それでは完全なイコールパートナーとは言えない」と。
 まさに「血を流す」ほどの忠義立てをしてなければ、アメリカは守ってくれないと思っている。
 だが、血を流すのは安倍首相ではなく、自衛隊員ですよ。その自衛隊員には親もいる、妻もいる、子供もいるのです。安全な立場にある者が、「血を流す、流す」などと軽く言ってはいけない。
 要するに、集団的自衛権の行使容認というのは、オバマ大統領への諂いなのです。TPPも同じです。これで何とか日本を守ってもらおうという心算です。
 その結果、先般の日米首脳会談では「安保条約第五条適用」との言質(げんち)を得たが、これがリップサービスにすぎないことは先月述べたとおりです。オバマは内心では、超国家主義的な安倍政権を信用してない。むしろ危険視している。
 
 仏法を立てねば すべて裏目に
 
 いいですか。仏法を立てなければ、すべてが裏目に出る。これが「運きはまりぬれば兵法もいらず」ということなのです。
 集団的自衛権の行使容認というのは詰まるところ、日本がアメリカに対して「何でもしますから、どうぞ仰って下さい」ということなのです。
 だから、ひとたび行使を容認したらもう断われない。アメリカから「集団的自衛権を使えるようになったのだから、頼む」と言われれば、地球の裏側まで自衛隊は行くようになるんです。
 すでに石破幹事長が言っている。「自衛隊はどこまで行くか、地域的な限定はしてない、地球の裏側まで行くことになるでしょう」と。
 また云う「逃げたら死刑だ」と。
 「簡単に言うな」と云いたい。
 
 断われば日米同盟が壊われる
 
 ひとたび集団的自衛権の行使を容認したら、もし頼まれて断わったら、日米同盟にヒビが入ってしまうのです。だから断われない。
 だが、アメリカに守ってもらうために集団的自衛権行使に踏み切ったのに、かえってアメリカの戦争の下請け、アメリカの傭兵になってしまう。これが裏目に出るということです。
 しかも、アメリカの戦争というのは、ベトナム戦争、アフガン戦争、イラク戦争と、どれみても大義がない。
 

 ベトナム戦争を見よ

 
 たとえばベトナム戦争――。
 きょうも最初にベトナムの人の体験発表がありましたが、「枯葉作戦」のこと、私はベトナムの人から直に聞いて衝撃でした。
 ベトナム戦争というのは、一九六〇年の初めから一九七三年までの、実に一〇年間にわたった、アメリカとベトナムの戦争です。一言でいえば傀儡政府を作っての侵略戦争ですよ。
 経緯を説明すれば、ベトナムは、一九五四年の第一次インドシナ戦争終結後のジュネーブ協定により、ホー・チ・ミン率いる北ベトナムとゴ・ジン・ジェム大統領率いる南ベトナムに分断された。
 アメリカは「防共の砦」という口実で南ベトナムヘの軍事介入を始めた。
 アメリカの支援を後ろ盾にした南ベトナム政府は国内を弾圧した。これに抗議して一人の僧侶が焼身自殺すると、ジェム大統領の弟である秘密警察長官の妻が「人間バーベキュー」と嘲笑し、国内外から激しい反発を買うという事件もあった。
 
 米国、傀儡政権を支援
 
 しかしアメリカは南ベトナム傀儡政権への支援を続け、やがて一九六四年から、大規模な北ベトナムヘの爆撃と地上戦闘を開始した。これがベトナム戦争です。
 先ほどの体験発表にあったごとく、この戦争は腕ずく力ずくの、残虐極まりないものでした。
 米軍の爆撃と地上軍の殺戮で、ベトナム人三百万人が死亡し、四百万人が負傷。米兵は五万八千人が死亡したといわれる。太平洋戦争における日本人の戦死者が三百数十万人であったことと思い合わせれば、これがどれほど残虐な戦争であったことか。
 あの狭い国土に投下された爆弾は七八五万トンだった。第二次世界大戦中にアメリカが各戦場に落とした爆弾の総量ですら二〇五万七二四四トンだった。ベトナムヘの七八五万トンがいかに凄まじいものであったかがわかります。
 
 「枯葉作戦」の非道
 
 それでもベトナム兵士は、ホー・チ・ミン大続領のもとに結束して戦闘を継続して負けなかった。ベトナム兵はジャングルを隠れ家として戦ったのです。
 戦争は泥沼化した。そこでアメリカはどうしたかというと、全ベトナムのジャングルを消滅させる作戦を立てた。
 これがいわゆる「枯葉作戦」です。
 ジャングルを枯らすために、猛毒のダイオキシンを含む枯薬剤を一〇年間にわたって、なんと七千二〇〇万リットルも飛行機で空中散布した。その目的はジャングル消滅だけではない。農作物を汚染させ、ベトナム人民から食糧を奪うためだった。
 ダイオキシンの毒性はあのサリンの二倍、青酸カリの一〇〇〇倍、農薬の一〇〇万倍といわれている。このダイオキシンを混入した枯薬剤を空中散布したのです。
 
 癌・奇形の大量発生
 
 このダイオキシンは遺伝子をおかしくする。その結果、癌・奇形が大量に発生し、免疫・発育の異常が全土にわたった。ベトナム政府によれば、今もなお第二・第三世代を含む約一〇〇万人が深刻な健康被害に苦しんでいるという。
 あの「ベトちゃん・ドクちゃん」と呼ばれる、下半身がくっついた結合双生児、この二人も枯薬剤の被害者ですよ。
 まさにベトナム戦争は「人類史上未曽有の化学戦争」でもあったのです。
 この枯薬剤を作ったメーカーの一つが、あのモンサントです。
 
 TPPの危険
 
 ちなみに、もしTPPが締結されれば、モンサントの遺伝子組み換え食品が無表示のまま、日本にも大量に入ってくるのです。
 私は、このことを全く心配しない政治家というのは、いったいどういう神経の持ち主なのかと思っている。
 TPPというのは、その交渉内容をいっさい公表しないことになっている。もし国民が知ったら反対運動が起きて壊われてしまうからです。しかし米国の多国籍企業の幹部だけは知ることができる。だから会議のたびに彼らはそばに付いている。
 先般の日米会談のときも、数十台の車を連ねて付いていた。TPP交渉を監視するために来ていたのです。
 オバマ大統領は米国の大統領には違いない。しかし一面、多国籍企業の代理人のような感じすらする。
 TPPは、国民の知らないところで秘密裡に、しかもアメリカのペースで進められているのです。
 
 歴史に残る韓国兵士の大虐殺 
 
 話を戻します――。
 このベトナム戦争には米軍の応援部隊として、韓国兵が延べ三二万人も参加しているのです。これらの兵士は「猛虎部隊」「青龍部隊」「白馬部隊」などと名付けられた精鋭軍団で、ベトナム中部に送り込まれた。
 彼らの任務は農村の゙無人化゙で、村を包囲しては女性・子供・老人まで、情け容赦なく虐殺した。
 その凄惨を極めた大量虐殺のさまは口にするのも憚(はばか)るが、韓国人が調査し発表した「ハンギョレ21」(1999年5月6日、第256号)で克明に暴かれている。
 まさに悪鬼の所行というべきものです。先ほどの体験発表で「川の水が血で真っ赤になった」というのも、その一つです。
 
 日本は断われない
 
 さて日本も、集団的自衛権行使が容認されれば、アメリカの戦争に参加せざるを得なくなる。これがアメリカの下請け、アメリカの傭兵ということです。
 アメリカはアフガン戦争の時には、当時のアーミテージ国務副長官が日本に対し「ショー・ザ・フラッグ」(日の丸を見せよ)と言い、さらにイラク戦争の時には「ブーツ・オン・ザ・グランド」(地上部隊を派遣せよ)と派兵を追っている。当時の小泉政権は派兵には応じたが、武力行使はせず、後方支援だけをした。憲法の制約があったからです。
 しかし集団的自衛権行使が容認されれば、派兵要請・武力行使は断われなくなる。同盟関係がこわれるからです。
 

 地殻変動はなぜ起きたのか

 
 いいですか。安倍首相は「一国で、自らの平和と安全を維持することはできない」と言っている。また「日本を取り巻く安全保障環境が悪化している」とも言う。
 そのとおりです。
 中国の軍事大膨張とアメリカの衰退という地殻変動が起きてきたから、そうなった。そして「属国的平和」はもう許されなくなったのです。
 では、なぜこのような地殻変動が起きたのか――。
 これはもう、世間の智恵の及ぶところではない。仏法の眼で見なければわからない。
 
 諸天の働きによる
 
 これすなわち、諸天の働きによる。
 諸天は、いつまでも日本が日蓮大聖人に背き続けているのを見て、もう許さないのです。そこに、日本一同が立正安国に目覚めざるを得ない舞台装置が、いま作られつつあるのであります。
 
 地殻変動さらに拡大
 
 そしてこの地殻変動は、今さらに拡大しつつある。
 それは、中国とロシアが手を結ぼうとしていることです。
 中国とロシアはこれまで、世界最長の国境線を挟んで、長年にわたり互いに警戒し、敵対心を懐き続けて来た。
 ところが、ウクライナ問題でロシアはアメリカ・EUと対立し、中国は東シナ海・南シナ海においてアメリカ・日本と対立している。ここに両国が一気に結びつく条件ができ、今や盟友関係になってきたのです。
 
 海上合同軍事演習
 
 今月二〇日から、プーチン大統領が派遣したロシアの太平洋艦隊が束シナ海と南シナ海において、中国人民解放軍とともに「海上合同軍事演習」を実施している。当初は東シナ海だけの予定であったが、ベトナムと紛争中の南シナ海まで足をのばしての合同演習を見せつけている。これは容易なことではない。
 
 「アジアの安全はアジア人が守る」
 
 さらにこの軍事演習に合わせて、プーチン大統領は上海で開催された習近平国家主席が主催する「アジア信頼醸成措置会議」(CICA)に出席しております。
 この会議にはアジア・中東の二六ヶ国が参加しているが、席上、習近平は「アジアの安全はアジア人が守る」と述べて、米国抜きの秩序作りを打ち出した。
 またこうも言った。
 「第三国に向けた軍事同盟の強化は、地域の安全のためにならない」と。これは日本とアメリカの同盟強化を念頭に、米国を牽制したのです。
 まさにこの会議の目的は、中国とロシアがアメリカと対抗して、両国の関係を一段と緊密化させるところにあったのです。これを見て、オバマ大統領は強い危機感を懐いているに違いない。
 
 対日参戦「歴史的偉業」
 
 またプーチン大統領は、中国訪問を前にしての中国メディアのインタビューでは、こう述べている。
 「第二次世界大戦の結果を見直すことは認められないという点で、われわれ(ロシア・中国)は一致している」
 さらに「中国の友人たちは、中国東北部(旧満州)を侵略者(日本)から解放するために命を捧げた私たち同胞の記憶を、大切に保っている」として感謝の意を表明し、第二次世界大戦末期のソ連の対日参戦を「歴史的な偉業」として正当化する立場を明らかにした。
 ソ連は、刀折れ矢尽きてポツダム宣言を受諾した日本に対し、相互不可侵条約を一方的にふみにじって突如参戦し、樺太から満州になだれ込んで多数の日本人を殺戮したうえ、北方四島を奪取した。まさに火事場泥棒みたいなことをやった。
 この不法行為をプーチンは、「歴史的な偉業」として正当化しているのです。
 そのうえで、来年「第二次世界大戦戦勝七〇周年式典」を中国とともに開催することを、改めて確認しております。
 いいですか。これらを見るとき、中国とロシアは領土問題でも、反米でも、今や利害が一致している。二一日には、ロシアの天然ガスを中国に輸出することでも合意・調印している。
 
 中ロ同盟は世界の悪夢
 
 やがて中ロ同盟が結ばれる可能性が高い。この同盟こそ世界の悪夢です。修羅の大国同士が軍事同盟を結んだら、世界はどうなるか。
 仏法のうえからこれを見れば、まさに「一閻浮提大闘諍」の兆しであります。
 今後、日本は、中国とアメリカの狭間で漂流し、必ずや他国侵逼の大難を受ける。集団的自衛権などの小細工を弄しても、どうにもならない。まさに「運きはまりぬれば兵法もいらず」そのままであります。
 これが広布前夜の客観状勢であり、これを作っているのが、日蓮大聖人の御化導を助けまいらせる諸天の働きなのであります。
 

 逆縁広布も順縁広布も大聖人の力用

 
 私はいつも申しております。
 御在世の逆縁広布も未来の順縁広布も、すべては大聖人御一人のお力によると――。
 
 御在世の逆縁広布
 
 いいですか。まず御在世を拝見してごらんなさい。
 大聖人様は諸天に申し付けて大蒙古を襲来せしめ、以て日本一同を改悔させ、無間地獄の大苦を今生に消さしめ給うておられる。
 ゆえに王舎城事には
 「法華経の敵となりし人をば、梵天・帝釈・日月・四天、罰し給いて、皆人に見懲りさせ給へと申しつけて候。日蓮法華経の行者にてあるなしは、是れにて御覧あるべし。乃至、あへて憎みては申さず。大慈大悲の力、無間地獄の大苦を今生に消さしめんとなり」と。
 日本一同は日蓮大聖人を末法下種の御本仏とは知らず、憎んで流罪・死罪にした。その罪禍がどれほど深いか。必ず後生には無間地獄に堕ちる。このことを不憫と思し召されるゆえに、大聖人様は梵天・帝釈等の諸天に申し付けて大蒙古を襲来せしめ、この現世の大罰を以て改悔させ、無間地獄の大苦を今生に消さしめ給うたのです。これほどの大慈大悲はない。
 また諸天に申し付けるという絶大権威は、末法下種の御本仏でなければあり得ない。ゆえに「日蓮法華経の行者にてあるなしは、是れにて御覧あるべし」と仰せ給うのであります。
 さらに蒙古事には「蒙古の事、すでに近づきて候か。我が国のほろびん事はあさましけれども、これだにも虚事になるならば、日本国の人々いよいよ法華経を謗じて万人無間地獄に堕つべし。かれだにもつよるならば、国はほろぶとも謗法はうすくなりなん」と。
 蒙古の責めによって国が亡ぶことは何とも嘆かわしいことであるが、もし蒙古襲来がそらごとになれば、日本の人々はいよいよ日蓮大聖人を誹謗して、万人が無間地獄に堕ちる。蒙古の責めが強まるならば、国は亡ぶとも謗法の罪はうすくなるであろう――と。
 何と徹底した御指南であられるか。
 しかもその上で、亡んで当然の日本を、亡国からお救い下さった。そして日本一同が大罰に恐怖(くふ)する中に、未来に仏に成る種を下し給うた。これが御在世の逆縁広宣流布であります。
 いいですか。諸天に申し付けて大蒙古を襲来せしめたのも、諸天に申し付けて大蒙古を撤退せしめたのも、すべては日蓮大聖人の絶大威力による。二度の襲来が、二度とも大風によって撤退しているのです。こんな不思議なことはない。これが仏様の大慈大悲の御化導なのであります。
 
 未来の順縁広布
 
 そして未来の順縁広布もまた、大聖人御一人のお力で成される。
 すなわち時来たれば、大聖人様は諸天に申し付けて、日本国が立正安国にめざめざるを得ない客観状勢を作らしめ給うのです。その御予言が上野抄の「ただをかせ給え。梵天帝釈等の御計いとして、日本国一時に信ずる事あるべし」との仰せであります。
 そしてこのとき、大聖人様は無数の地涌の菩薩を召し出だして戦わしめ、広宣流布を成就あそばす。その御予言が諸法実相抄の「未来も又しかるべし。是れあに地涌の義に非ずや。剰え広宜流布の時は、日本一同に南無妙法蓮華経と唱へん事は、大地を的とするなるべし」との御断言であります。このように、広宣流布のときは、無数の地涌の菩薩が召し出だされ、大聖人様のお味方申し上げて戦うことになっている。

 顕正会員こそ地涌の菩薩
 
 いま顕正会員こそ、まさにこの立場に立っているのであります。
 地涌の菩薩ならば、みな、恋慕渇仰の信心口唱によって心に仏様を宿す。心に仏様が宿って下されば、その人はもうただの素凡夫ではない。大聖人様の分身であります。
 自然と慈悲の心も、忍耐力も備わってくる。だから悪口を言われても怒らない。逆縁が続いてもへこたれない。そして一生成仏が叶う歓喜に燃え、我も唱え人にも勧める。これが地涌の菩薩、大聖人様の分身であります。
 
 みな御本尊を求める
 
 いいですか。たとえ今は反発している人も、諸天の働きによって日本の亡国が身に逼るという大現証を眼前にすれば、みな御本尊様を求めてくる。日蓮大聖人の重き重き御存在にめざめてくる。一気に国中の認識が変わってしまうのです。
 
 画期的な福井判決
 
 たとえば二日前の福井地裁の判決、これを見てごらんなさい。
 これまで「原発は危険だから止めよ」との声があっても、福島事故が起きるまでは世間にそういう認識はなかった。みな「安全神話」に騙されていたのです。したがって裁判においても、事故以前の原発訴訟はことごとく敗訴に次ぐ敗訴であった。
 ところが二日前、福井地裁は大飯原発3・4号機の再稼働差し止め訴訟において、「運転してはいけない」という画期的な判断を下した。素晴らしい筋の通った判決でしたね。読んでいて気持ちが晴れ晴れした。
 裁判長は「原発を止めると電気代が高くなる、貿易収支が悪化する」という論理に対し、「電気代と住民の安全を同列に考えるべきではない」と言っていた。そのとおりですね。
 「電気代が高くなる」というのは計算のごまかし。また「貿易収支云々」はアベノミクスによる円安と天然ガスの高値買いによる。
 よし電気代が高くなろうとも、命には替えられないではないか。
 放射能は日本民族の遺伝子を冒してしまう。仏法の上からは、日蓮大聖人の仏国土を汚染してしまう。私はこれが我慢ならん。
 ですから裁判長の「同列に考えるものではない」との判決文、溜飲が下るような思いでした。
 これも、福島事故のあの悲惨な現証をまのあたりにして、国民の意識が変わり、裁判官の認識が変わったことによる。
 
 一時に信ずる
 
 広宣流布も、客観状勢が変われば、みなの認識は一時に変わる。「顕正会の言うとおりになってきた」「日蓮大聖人を信じてお題目を唱えなければダメなのだ」ということになるのであります。
 
顕正会の言うとおりとは、災害とかが起きるってことですよね。
さて、自然災害大国である日本。平成に入ってからの災害を大雑把に見てみると、
 

 日蓮大聖人こそ日本国の柱

 
 集団的自衛権について、最後に中します。
 安倍首相の判断は間違っている。自衛隊員の血を流してまでアメリカに忠義立てをしても、アメリカは日本を守ってくれない。いかにアメリカを杖・柱と頼むとも、アメリカは日本の柱ではない。
 日本国の柱は日蓮大聖人御一人であられる。ゆえに「我日本の柱とならむ・・・等と誓いし願、やぶるべからず」と仰せあそばす。
 この御本仏にいつまでも背いているから、諸天の働きにより、中国はいよいよ日本を侵さんとするのです。
 もし日本一同に日蓮大聖人を尊崇し奉れば、いかなる国も日本を侵すことはできない。この仏国は諸天が厳然と守護するからであります。
 
 「聖人国に在るは・・・」
 
 滝泉寺申状の「聖人国に在るは、日本国の大喜にして蒙古国の大憂なり」とはこのことです。
 三世十方の諸仏の根源の本仏たる久遠元初の自受用身が、この日本国に御出現されている。これほど重大なことはない。仏法がわかってきたら、身の震えるような重大事です。
 大蒙古の襲来を前にして脅える幕府首脳に対し、大聖人様は同申状に「君既に賢人に在(ましま)さば、豈(あに)聖人を用いずして徒(いたずら)に他国の逼(せ)めを憂えんや」と。
 この仰せは、中国の侵略に脅える現在の日本に仰せ下されたものでもある。
 さあ、すでに順縁広布の時は近づいている。
 召し出だされた無数の地涌の菩薩の熱烈な折伏で、日本の人々は必ずめざめる。
 そして顕正会の諌暁の師子吼が日本にこだまするとき、国立戒壇建立の大気運は必ず一国にみなぎる。
 二百万こそ広布の大事な節であります。さあ六・七月法戦、全組織が大歓喜の中に誓願を成し遂げ、何としても大聖人様に応え奉ろうではありませんか。以上。(大拍手)
 

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