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  「日蓮によりて日本国の有無はあるべし」
   諸天に申し付け給う大聖人の絶大威徳 

     世界大恐慌は「前代未聞の大闘諍」の引き金 

     中国初海洋進出を見よ、他国侵逼刻々と

                     顕正新聞8月5日(1351)号
 
 国難二年の中盤たる六・七月法戦、先ほど発表のごとく、ついに二万一千一三六名という空前の大法弘通が成し遂げられました。うだるような暑さの中、みなさんの熱烈なる弘通の赤誠、ただただ有難く思うものであります。
 昨年の六・七月法戦も過去最高といわれましたが、このときは一万八千余でした。本年はそれを大きく上回わる大規模な弘通です。まことに凄いですね。
 これ、広宣流布の時が近づくにつれ、大聖人様の御威徳により、弘通のテンポが変わってくるのであります。
 

  歓喜の語り合いの中に大法弘通 

 
 そしてこの大折伏が、歓喜の語り合いの中に、明るく力強く行われていることが、私は何より嬉しい。
 
  「互いに之を語れ」
 
 語り合うことがいかに大事か。
 大聖人様は佐渡御流罪の最終段階の文永一一年一月、法華行者値難事と呼ばれる御書を著わされ、全門下にこれを与えて下さった。
 この御書は短いが、たいへん大事なことが説かれております。すなわち「いま『況滅度後』の大難、すなわち釈尊以上の大難に値い給う大聖人こそ、釈尊が予言証明した末法の法華経の行者であること」
 さらに追伸には「大聖人こそ三大秘法を弘め給う上行菩薩であられること」が密示されている。まことに重大な御教示ですね。
 そして末文に、こう仰せられている。「一切の諸人之を見聞し、志有らん人々は互いに之を語れ」と。
 いいですか。門下一同は、佐渡御流罪二年余、未だ還り給わぬ大聖人を偲びまいらせては、どれほど心を痛め、そして心細かったことか。
 その中に、大聖人様のこの師子王のごとき御確信と大境界をお聞きしたのです。どれほど歓喜したことか。
 ここに大聖人様は「志有らん人々は互いに之を語れ」と仰せあそばす。語らなければ歓喜は萎(しぼ)んでしまう。語り合う中に歓喜はますます膨らみ、情熱はたぎり、広宣流布が進むのであります。
 
  仰せのままの信心 仰せのままの功徳
 
 いま顕正会には「仰せのままの信心、仰せのままの功徳」―― この歓喜がみなぎってますね。
 大聖人様の仰せのままの信心をしているのは、日本国の中に顕正会以外にはない。学会はあろうことか戒壇の大御本尊を捨てた。宗門は冒涜し奉っている。顕正会だけが、仰せのままの信心を貫いているのです。
 ゆえに現世には守られ、臨終には成仏の相を現じ、一生成仏が叶うのであります。
 そして、組織の中にこの歓喜がみなぎってくると、どれほどコチコチに固まっていた組織でも、みんな柔和質直になり、弾んでくる。
 
  柔和質直
 
 餓鬼の心、畜生の心、修羅の心は突っ張って固い。歓喜の語り合いで、この固い心が溶け、柔和質直になってくるのです。
 柔和とは、恋慕渇仰の心。質直とは、正直で仏法のためには身命も惜しまぬ心。まさしく柔和質直とは、恋慕渇仰・不惜身命の信心であります。
 自我掲には「柔和質直者、則皆見我身、在此而説法」柔和質直なる者は則ち皆、我が身此に在って法を説くと見る)とある。
 ― 恋慕渇仰・不惜身命の信心の者はみな、仏様がここにましまし法を説いておられるを見る ― と。
 
  歓喜の天然酵母で
 
 歓喜の語り合いで、みなが柔和質直になれば、どれほどコチコチに固まっていた組織も、天然酵母が入ったパンみたいにふっくらしてくる。
 広宣流布のその日まで、顕正会の全組織が、歓喜の天然酵母で弾むような明るい前進をしたい。これが私の念願であります。
 

  正本堂崩壊の大現証 

 
 さて、八月は顕正会の「原点の月」ですね。なぜ原点の月というのか。
 それは、顕正会が広宣流布を見つめて発足したのが、昭和三二年八月三日。そして御遺命のゆえに解散処分を受けたのも、昭和四九年八月一二日。いずれも八月でした。よって八月を原点というのであります。
 この顕正会の長き歴史において、大聖人様から見せて頂いた最大の現証は何かというと、正本堂の崩壊であります。
 申すまでもなく、正本堂というのは、第六天の魔王その身に入った池田大作が、日蓮大聖人の御遺命たる国立戒壇建立を抹殺するために建てた偽戒壇であります。
 彼はこの大それたたばかりをするために、宗門の「時の貫首」すなわち「法主」を龍絡した。
 そして「法主」の口を以て「正本堂は御遺命の戒壇である」と言わせ、さらに「この正本堂に戒壇の大御本尊を永久に安置する」とまで言わせた。
 また池田大作自身も、正本堂の地下室に記念品を埋納する儀式を麗々しく挙行して、細井日達が落成式で着けた法衣と自身が着たモーニングを埋納したうえで、「三千年後、一万年後にこの地下室を開ける」とまで大言壮語した。
 宗門で最高権威の「法主」と、最高権力の池田大作が心を合わせて言うことであれば、八百万全学会員は「正本堂は御遺命の戒壇」と思い込み、一千人の全僧侶もこの誑惑にひれ伏した。
 
  身を捨てて立つ
 
 ここに正系門家から、御本仏の唯一の御遺命が消え失せんとしたのであります。
 この重大事を見て、私は「もし黙っていたら、大聖人様に申しわけない。大不忠になる、御叱りを受ける」―― ただこの思いだけで、身を捨てて諌暁に立ち上がった。
 そして、誰人も想像すらできなかったことが起きたのです。
 
  わずか26年で崩壊
 
 あの巨大な正本堂が、わずか二十六年で打ち砕かれ、消滅してしまったのであります。
 一枚岩のごとくに見えた学会と宗門が激しい抗争に陥り、その結果、ついに正本堂が打ち砕かれてしまったのです。
 なんという不思議か――。
 これを仏法の上から見れば、大聖人様はこのような大悪を断じてお許しにならないのです。
 ゆえに顕正会をして諌暁せしめ、諸天をして宗門・学会を自界叛逆せしめ、ついに正本堂を打ち砕かせ給うたのであります。
 
  諌める者あれば崩壊
 
 大聖人様は報恩抄に、誑惑は諌める者あれば必ず崩れることを、例を挙げてお示し下されている。
 「尼犠(にけん)が塔は数年が間利生広大なりしかども、馬鳴菩薩の礼をうけて忽ちにくづれぬ。鬼弁婆羅門がとばりは多年人をたぼらかせしかども、阿湿縛窶沙(あすばくしゃ)菩薩に責められてやぶれぬ」と。
 この仰せのごとく、誑惑・たばかりは、どれほど巧みであっても、諌める者があれば必ず崩れるのです。
 いま正本堂も、いかに「法主」の権威を利用して巧みに人々をたぶらかすとも、大聖人の御心に背き奉り、諌暁されたゆえに、忽ちに崩れたのであります。
 
  「一時に信ずる事あるべし
 
 これを以て思うに、大聖人様が御断言あそばされた「ただをかせ給え、梵天・帝釈等の御計いとして、日本国一時に信ずる事あるべし」との重大の仰せも、必ず事実となる。
 また一期弘法付嘱書・三大秘法抄には「時を待つべきのみ」と仰せあそばす。
 この「時」も甚だ近いと、私は感じております。それは「一時に」来る。海の潮が満ちるごとく一時に来るのであります。
 いま顕正会が、その重大な御化導のお手伝いをさせて頂けること、なんと有難いことかと、私はいつも思っております。
 

  世界大恐慌こそ世界大闘諍の引金

 
 さて、なぜ広宣流布は近いのか――。
 大聖人様は、広宣流布の前には必ず「前代未聞の大闘諍」があることを撰時抄に御予言でありますが、今、その引き金となる世界大恐慌がいよいよ姿を現わしつつある。だから広宣流布は近いのであります。
 
  ギリシャと欧州
 
 見てごらんなさい。
 まずギリシャが六月二九日に事実上のデフォルト(債務不履行)に陥った。そして一時、預金封鎖までしましたね。現在、EUと交渉して辛うじて小康を保っているが、これは絆創膏を貼ったみたいなもので、いずれ破綻することは目に見えている。
 ギリシャだけではない。いま欧州では、ウクライナも債務危機に陥っている。専門家は「ウクライナの債務危機は早晩、欧州発の金融恐慌を誘発する火薬庫になる」と警鐘を鳴らしております。
 ギリシャ問題はまだ前哨戦なのです。やがて「ウクライナ、オーストリア、イタリア、スペイン、ポルトガルと南欧諸国に債務危機が広がる」との観測が、専門家の間でなされております。
 
  中国株の大暴落
 
 さらにもっと大規模・深刻な危機が中国経済です。中国の代表的な株価指数である上海総合指数は六月一二日のピークから、わずか三週間で三割超も暴落した。
 「事は重大」と見た中国政府の、なりふり構わぬ九項目にわたる株価対策により、これもやっと小康状態を保っていたが、きのう二七日、またも八・五%も暴落しました。
 中国政府がこの株価対策につぎ込んだカネは一〇〇兆円といわれている。リーマン・ショックのときよりもはるかに多額です。だが下落は止まらない。相場の失速の恐れが出てきた。中国政府のコントロールが不能になったということです。
 中国経済の闇は深い。その実態は誰にもわからない。その深い闇が、こんどの株価暴落でいよいよ顕在化して来たのです。やがてシャドーバンキングをはじめ多くの企業が連鎖倒産を起こし、社会不安を起こす恐れがある。
 そしてこの国内不安が、かえって中国共産党を日本への侵略へと駈り立てるのです。それはさておき―
 
  アメリカも深刻
 
 なにしろ中国の経済規模は、アメリカに次ぐ世界第二位ですよ。もし中国経済が危機に陥ったら、アメリカも深刻な影響を受け共倒れになる可能性がある。
 アメリカも、隠れ借金が天文学的な数字に上るという情報が、一部でささやかれております。そして利上げは九月か一二月と言われているが、この影響が世界に激震をもたらすことは疑いない。
 
  日本の国家破産はすでに回避不能
 
 また日本の財政危機は今さら言うまでもない。ギリシャより格段に危険ですよ。借金総額で比較すると、日本は一千兆円超、ギリシャはわずか四二兆円。また財政破綻の危険度を表わすGDPと借金の比率は、一四年度末で日本は二三二%、ギリシャは一七七%です。
 この数字を見れば、日本はすでに破産していて当り前です。しかしまだ国家破産してない。
 それはどうしてかと言うと、日銀が輪転機を回わしてお札を刷り続け、政府に運転資金を供給しているからです。
 政府のタレ流す借金を日銀が肩替わりして、赤字国債を買い上げているのです。これを財政ファイナンスという。日銀は、断じてやってはならぬ「禁じ手」をやっているのです。白川前総裁は「日銀は独立性を保たなければいけない。政府のデタラメな借金財政の片棒を担いではいけない」という姿勢を堅持していた。そこで安倍首相は白川をクビにし、黒田に替えたのです。
 
  ハイパーインフレと国債暴落
 
 しかし、いつまでも打ち出の小槌のようなことができるわけがない。こんなこと、続くわけがない。
 日銀が限界に達すれば、もう国債を買えない。そのとき国債は大暴落し、円も株も大暴落、そしてハイパーインフレが起こる。
 終戦後のインフレがどれほど凄かったかというと、わずか六年間で物価が一○○倍になったのです。具体的にいえば、千円の商品が六年後には一〇万円になったのです。
 こんどのハイパーインフレはもっと凄まじいですよ。国民は必ず塗炭の苦しみを受ける。
 このような大苦を全国民に味わわせることを知りながら、政権の人気取りのためにアベノミクスなどというまやかしを進めている政治家ども、私は悪党だと思っております。
 
  未曽有の世界恐慌が前代未聞の大闘諍ヘ
 
 今や世界経済は互いに繋がって一つになっている。その中で、ギリシャ、中国、アメリカ、日本が相互に影響し合い、同時不況・株価暴落・債務危機に陥ったら、まさしく未曽有の世界大恐慌となる。
 そしてこの世界大恐慌が、「前代未聞の大闘諍」の引き金になるのであります。
 
  第二次大戦の前夜を見よ
 
 前例を挙げます。第二次世界大戦の前夜を見てごらんなさい。
 一九二九年(昭和四年)一〇月二四日・木曜日、ニューヨークの証券取引所で株が突然、大暴落した。一度は持ち直したが五日後の火曜日、再び大暴落した。これが「暗黒の木曜日」「悲劇の火曜日」といわれている史上最大の暴落で、大恐慌の始まりだったのです。
 その二年後の一九三一年(昭和六年)、日本で満州事変が勃発した。これが日中戦争・日米戦争へとつながる大戦の入口だった。この昭和六年は私の生まれた年だから憶えております。
 その二年後、ドイツではヒットラーが政権を掌握した。折からドイツは世界恐慌のあおりで失業者が六〇〇万人に上っていた。ドイツ国民は第一次世界大戦における「ベルサイユ条約」で課せられた苛酷な賠償を怨嗟(えんさ)、瞋(いか)りに燃えていた。この気運に乗じて、ヒットラーは欧州で戦争を始め、日・独・伊の三国同盟ができ、やがて全世界が巻き込まれる第二次世界大戦となったのです。
 まさにアメリカ発の世界恐慌が、第二次世界大戦の引き金となったのであります。
 
  裏づけなき信用膨張 破裂寸前の世界経済
 
 そして、いま起こらんとしている大恐慌は、一九二九年の時とは規模も深刻さもケタ違いです。経済のシステムが複雑になり拡大し切っているからです。
 例えば、昔はお札はみな「兌換(だかん)券」だった。お札はどこの国でも金と引き換えてくれた。金が紙幣の価値を裏づけていたのです。しかし今はすべて不換紙幣ですよ。金とは換えてくれない。
 では紙幣の価値の裏づけは何かといえば、国家の信用です。国家が、政府が、保証する紙幣だから、物が買えるというわけです。だから、もし国家が財政破綻に陥ったら、紙幣はただの紙切れになってしまう。
 七年前のリーマン・ショックのとき、各国の銀行が目づまりを起こして金融恐慌に陥らんとした。このとき各国政府は大規模な財政出動をして銀行を救った。そして今、こんどは各国政府がカネを出しすぎて財政危機に陥らんとしている。この危機はもう救済してくれる者がないのです。
 つまり今の世界経済は、裏づけのない信用膨張により、破裂寸前になっている。空虚な信用が限りなく重なったバーチャル経済になっているのです。
 
  強欲資本主義
 
 大聖人様は曽谷抄に「飢渇は大貪よりをこり、乃至、合戦は瞋恚より起こる」と仰せられている。
 いいですか。現代の飢渇ともいうべき大恐慌は、強欲資本主義から起きているのです。
 米国の多国籍企業などは強欲資本主義の典型ですね。たとえばモンサントなどがそれです。もしTPPが妥結すれば、これらが日本に乗り込んで来る。この強欲資本主義、儲けるためには何でもやる、世界中を食い荒らしている。この背後にはロスチャイルドとかロックフェラーとかの世界的大財閥が付いているといわれる。
 まさに現代の飢渇は、強欲資本主義から起きている。そしてこの弱肉強食が瞋恚をもたらし、その瞋恚の連鎖が「前代未聞の大闘諍」を引き起こすのであります。
 

  他国侵逼の影いよいよ迫る

 
 いま中国とロシアは、事実上の軍事同盟を結んで欧米と厳しく対峙している。
 ロシアはウクライナはじめ欧州を牽制するため、すでに核兵器の配備まで始めている。
 
  中国の西太平洋進出
 
 また中国は「東風41」と「巨浪2」という決定的な核兵器を背景にして、いよいよ西太平洋に進出してきた。 「九段線の内側は中国の領土・領海だ」と一方的に主張して、強引に軍事基地を造り始めたですね。それが南シナ海の埋め立てであり、東シナ海の海洋プラットフォーム建設です。
 今月二二日の日本政府の発表によれば、平成二五年六月以降に新設したプラットフオームは一二基に上るという。もしこれらに本格的な軍事施設が設けられたら、まさに日本の存立に関わる事態となる。
 
  三つの目的
 
 私は、中国の南シナ海・東シナ海への進出には、三つの目的があると見ております。
 一つには、海南島の地下にある原子力潜水艦の秘密基地を守るため。この基地に潜んでいる「晋(しん)級」原子力潜水艦には「巨浪2」が搭載されている。この「巨浪2」の報復力が「東風41」と共に、アメリカに手出しをさせない抑止力になっているのです。
 二には、日本へのシーレーンを抑えるため。もしこのシーレーンが中国の勢力圏に入ったら、日本へ向うタンカーや貨物船の航行が妨害され、日本は兵糧攻めになる。オーストラリアを回わり込む大迂回航路では、日本経済は成り立たなくなる。
 三には、台湾侵攻の際の、米軍介入を防ぐため。中国は台湾統一を悲願としている。そしてその実現を、中国共産党創立一〇〇周年の二〇二一年を、目処としている。
 あと六年ですね。中国はそれまでに、九段線内の制空権・制海権を確保せんとしているのです。
 以上の三つは、そのすべてが直接・間接に日本の命運に間わっている。いよいよ他国侵逼の影が近づいて来たのであります。
 
  自然と災いを招く
 
 まさに十字(むしもち)御書の「法華経をかたきとする人の国は、体に影の添うがごとく、わざわい来たるべし」との仰せのままです。磁石が鉄を吸うように、自然と日本に侵略が近づいてくるのであります。

  安倍首相の対米従属
 
 安倍首相は、この中国の侵略に脅えている。彼はこう思っているに違いない。「何としてもアメリカに守ってもらう以外にない。そのためには自衛隊も差し出し、アメリカの世界戦略に協力しなければならない」と。これが、いわゆる「集団的自衛権の行使」ですよ。
 すなわち、たとえ日本が攻撃されていなくても、アメリカの戦争に協力するというもの。アメリカの要請があれば世界のどこへでも、いつでも、自衛隊を派遣するというものです。一口にいえば、アメリカの下請け・傭兵になるということです。これが憲法違反であることは憲法学者がいうまでもない。憲法次元で見る限り、紛うかたなき重大違反です。
 一方、今のアメリカはもう曽ての覇権国ではない。財政困難で国防予算すら削減しているという状態です。
 しかし南シナ海が中国の勢力圏に入ってしまうことは、さまざまな権益を失うし、東アジア諸国の信頼も失う。何より米軍の極東戦略が大打撃を受ける。そこでアメリカは、南シナ海の防衛を日本に肩代わりさせようと思っているのです。
 それが「アーミテージ・ナイ・レポート」の対日要求ですよ。あの中にハッキリと「集団的自衛権の行使容認」が明記されていますね。
 
  すがる日本 利用するアメリ力
 
 いいですか。すがる日本、利用しようとするアメリカ。ここに集団的自衛権行使をめぐる問題の本質がある
 安倍首相はアメリカにすがり、アメリカだけを見つめている。だから日本国民には一言の説明もせずに、アメリカの大統領と議会に安保関連法案いわゆる戦争法案の八月成立を約束してしまった。いったい彼はどこの国の総理大臣なのか。
 そもそも国務大臣・国会議員には、憲法を守るべき義務が課されている。これが憲法九条です。
 
  ウソとゴマカシばかり
 
 しかるに彼は、この憲法違反の法案を何としても通そうとしている。
 そこで「憲法違反ではない」とウソをつかざるを得ないし、すべての質問にハグラカシ・ゴマカシ・ウソで対応せざるを得なくなる。そしてその焦りと傲慢が、辻元議員への「早く質問しろよ」のヤジとなるのです。
 しかし与党は圧倒的多数、マスコミはすでに抑えてある、野党はだらしない、何でもできると錯覚したのでしょう。
 
  すべてが裏目に
 
 ところが潮目が変わってきた。憲法学者たちが怒りを以て立ち上がった。国民も総理大臣・安倍晋三の慢心・軽薄・無責任な正体を見抜くようになって来た。
 内閣支持率も急に下がって来ましたね。直近の各報道機関の世論調査では、一斉に支持率が三〇%台に下落、不支持率は五〇%台に上昇して来た。あれほど盤石だった政権の足下が、大きく揺れ始めてきたのです。
 所詮、仏法を立てなければすべてが裏目に出るのであります。
 安倍政権が、いかにアメリカに擦り寄ろうと、いかに与党絶対多数であろうと、いかにマスコミを抑えようと、そんなものは忽ちに崩れるのです。
 
  「敵国条項」適用の口実を与える
 
 何よりも、この戦争法案で海外に派兵しようとする日本を、中国はどう見るか。
 中国にとってこの戦争法案は、まさに国連憲章第五三条の「敵国条項」を適用する、またとない口実となる。国連憲章は国際法上の最上位に位置している。したがって日米安保条約に優先するのです。
 
  軍備増強も虚し
 
 また仏法の眼で見れば、たとえ日本がどれほどアメリカと一体になって軍事力を増強しようとも、諸天の責めであるならば、軍備の増強など何の役にも立たない。
 ゆえに撰時抄には 「設い五天のつわものをあつめて、鉄囲山を城とせりともかなふべからず、必ず日本国の一切衆生兵難に値うべし」と仰せられている。
 日本の人々は早く目ざめなければいけない。アメリカは日本の柱ではない。この国には、絶大威徳・大慈大悲の御本仏日蓮大聖人がましますではないか。
 蒙古襲来に脅える鎌倉幕府に対し、大聖人様は弘安二年の滝泉寺中状において「聖人国に在るは、日本国の大喜にして蒙古国の大憂なり。諸竜を駈り催して敵舟を海に沈め、梵釈に仰せ付けて蒙王を召し取るべし。君既に賢人に在さば、豈聖人を用いずして徒に他国の逼めを憂えんや」と。
 何という重い仰せでありましょうか。―― 日蓮大聖人がこの国にましますことは、日本国の大きな喜びであり、蒙古国にとっては大きな憂いである ――と。
 なぜか。もし国主が日蓮大聖人を信じて三大秘法を持つならば、大聖人は諸天に申し付けて、敵舟を海に沈め、蒙王を召し取り、日本国を安泰にして下さる。しかるにこの絶大威徳の大聖人を信ぜず、いたずらに他国の侵略に脅えていること、まことに愚かのいたりである ――と。
 大聖人が久遠元初の自受用身であられればこそ、この仰せがある。久遠元初の自受用身とは、あらゆる諸仏のいちばん大本の仏様です。この御本仏なればこそ、宇宙的スケールの力用を持つ諸天に申し付け、御本仏の御化導を助けしめる威徳があるのです。
 

  日蓮大聖人の絶大威徳を拝せよ

 
 私は全日本人に「諸天に申し付ける日蓮大聖人の絶大威徳を見よ」と言いたい。
 いいですか。この絶大威徳は、竜の口と自界叛逆と他国侵逼という、三つの大現証を見ればよくわかるのです。
 観心本尊抄には「心得られざれども、現証有れば之を用ゆ」と。たとえ理解できなくとも、厳然たる現証があれば、これを信じなければいけない。
 

  竜の口の大現証

 
 まず竜の口の大現証。
 竜の口における「月のごとく光りたる物」は、決して偶然に出現したのではないですよ。
 
  八幡大菩薩を叱責
 
 刑場にお着きになる前、大聖人様は八幡宮の前で馬を止められた。「何ごと……」と驚く兵士たちに大聖人は「各々さわがさせ給うな。別の事はなし。八幡大菩薩に最後に申すべき事あり」とて馬より下り、高声で仰せられた。
  「いかに八幡大菩薩はまことの神か。乃至、今日蓮は日本第一の法華経の行者なり。其の上身に一分のあやまちなし。日本国の一切衆生の法華経を謗じて無間大城におつべきをたすけんがために申す法門なり。又大蒙古国よりこの国をせむるならば、天照太神・正八幡とても安穏におはすべきか。其の上釈迦仏法華経を説き給いしかば、乃至、各々法華経の行者にをろかなるまじき由の誓状まいらせよとせめられしかば、一々に御誓状を立てられしぞかし。さるにては日蓮が申すまでもなし、急ぎ急ぎこそ誓状の宿願をとげさせ給うべきに、いかに此の処には落ちあわせ給はぬぞ」(下種本仏成道御書)と。
 八幡大菩薩は天照太神とともに下種仏法守護の善神です。その八幡大菩薩が守護の責務を果さぬ怠慢を「いかに八幡大菩薩はまことの神か」と叱責あそばされたのであります。
 そして最後に「日蓮今夜頸切られて霊山浄土へまいりてあらん時は、まづ天照太神・正八幡こそ起請を用いぬ神にて候いけれと、さしきりて教主釈尊に申し上げ候わんずるぞ。いたしとおぼさば、いそぎいそぎ御計いあるべし」と。
 
  国家権力がひれ伏す
 
 その直後、頸の座において、あの大現証があったのです。すなわち 太刀取りが大刀を振りかざして御頸まさに刎ねんとしたとき、突如「月のごとく光りたる物」が出現し、太刀取りは眼くらんで倒れ伏し、警護の兵士たちも恐怖のあまり一斉に逃げ出し、みな砂浜に坐り込んでしまった。
 まさに国家権力が、ただ一人の大聖人の御頸を切ることができず、その御威徳の前にひれ伏してしまったのです。
 これ、大聖人様の申し付けにより、諸天の中には月天子が、大聖人様を守護し奉った姿であります。
 

  自害叛逆の大現証

 
 次に自界叛逆の罰について。佐渡において大聖人様は日天・月天に対し、やはりその怠慢を次のごとく叱責あそばされている。
  「若し日蓮法華経の行者ならば、忽ちに国にしるしを見せ給へ。若ししからずば、今の日月等は釈迦・多宝・十方の仏をたぶらかし奉る大妄語の人なり。提婆が虚誑罪、倶伽利が大妄語にも百千万億倍すぎさせ給へる大妄語の天なりと、声をあげて申せしかば、忽ちに出来せる自界叛逆難なり」(撰時抄)と。
 
  日・月天に申し付け給う
 
 日・月天も、もろもろの諸天善神とともに法華経の会座において、釈迦仏に対し、末法の法華経の行者を守り奉るとの誓いを立てている。しかるに大聖人が大難にあうを見ても国を罰しない。もし大聖人を「末法の法華経の行者」と思うなら、「忽ちに微を見せよ」と申し付けられている。さらに、もし徴を見せないのであれば、今の日・月等は釈迦仏等をたぶらかす大妄語の天であると「声をあげて」叱責された。
 そして、わずかその一、ニヶ月後に、北条一門の中で同士討ちが起きた。まさに大聖人様のお申し付けによって、日・月天が動いたのであります。
 
  本間六郎左衛門に自界叛逆を予告
 
 ですから大聖人様は文永元年一月の塚原問答を終えられてのち、家に帰ろうとする佐渡の地頭・本間六郎左衛門を呼び止め、次のごとく仰せられている。「いつ鎌倉へ上られるのか」 六郎左衛門は「下人どもに農させて、七月ごろ」と。
 すると大聖人は「弓矢とる者は、主君の大事に駆けつけて所領を給わることこそ本懐ではないか。しかるに田畑つくるとはいえ、只いま鎌倉で軍が始まらんとしているのに、何をしているのか。急ぎ打ち上って手柄を立て、所領をも給わらぬか。貴殿は相模の国では名ある侍ではないか。それが田舎で田など作って大事の軍に外れたら、恥となろう」と。
 これを聞いた六郎左衛門は、何を感じたのか、あわてて物も云えなかった。そばで聞いていた念仏者や在家の者たちは「いったい何を言い出すのか」と、怪冴(けげん)の顔つきであった。
 だが、翌二月の十八日、鎌倉から急使が来て「鎌倉・京で軍が起きた」と伝えた。まさに自界叛逆が勃発したのです。しかも自界も自界、執権・時宗の兄・時輔(ときすけ)が謀叛をおこしたのであります。
 六郎左衛門はその日の夜、一門を引き連れ鎌倉へ上らんとし、まず大聖人のもとに詣でた。そして手を合わせて言うには「どうかお助け下さいませ。正月十六日のお言葉を伺ったときには、『そんなことが……』と疑っておりましたところ、お言葉は三十日のうちに事実となりました。これを以て思えば、蒙古国も必ず襲来するでありましょう、念仏の無間地獄も疑いありません。もう念仏は断じて申しません」と。
 大聖人様には、自界叛逆の起こることが、前もってわかっておられたから、この御振舞いがある。そして六郎左衛門はこの自界叛逆の的中をみて、心からの帰依に至ったのであります。
 

  他国侵逼の大現証

 
 さらに他国侵逼についてはどのように仰せになっておられるか。
 王舎城事には「法華経の敵となりし人をば、梵天・帝釈・日月・四天罰し給いて、皆人に見懲りさせ給えと申しつけて候。日蓮、法華経の行者にてあるなしは、是れにて御覧あるべし。乃至、あへてにくみては申さず、大慈大悲の力、無間地獄の大苦を今生に消さしめんとなり」と。
 この仰せを拝すれば、蒙古の責めも、大聖人様が諸天に申し付けられたものであることは明らかです。
 
  無限の大慈大悲
 
 これ、大慈大悲のゆえであります。
 日本国の人々は、末法下種の本仏を迫害することが、どれほどの罪障になるかを知らない。後生に無間地獄に堕つることを知らない。だから悪口罵詈し、流罪・死罪にしたのです。
 ここに大聖人様は、人々の後生の大苦を不憫とおぼされ、現世の罰を以て改悔の心を起こさせ、無間地獄の大苦を今生に消さしめんとあそばされたのです。まことに仏様の大慈悲というのはスケールが違いますね。
 

  日蓮大聖人に帰依し奉れ

 
 繰り返して申します。
 宇宙的スケールの力用を持つ梵天・帝釈等に対し、もの申し付ける御威徳というのは、久遠元初の自受用身たる日蓮大聖人ただ御一人であられる。
 この御本仏に背けば人も国も亡ぶ。心から信じ奉れば人も国も救われる。ゆえに「日蓮によりて日本国の有無はあるべし。譬へば宅に柱なければたもたず」と仰せあそばす。
 やがてこの御本仏を、日本一同、信じ奉る時が必ず来る。時いたれば、大海の潮が満ちてくるように一時に信ずるのです。
 
  二百万の仏弟子の大集団
 
 亡国を前にした濁悪のこの日本国に、まもなく二百万の仏弟子の大集団が出現する。
 この大集団は、大聖人の仰せのままに一国を諌暁する。同時に諸天は、大聖人の申し付けにより、人々が信ぜざるを得ぬ客観状勢を作る。
 その中に顕正会の死身弘法はしんしんと進み、五百万、一千万、三千万、六千万となり、その諌暁の声一国にこだまするとき いよいよ大聖人の御威徳により、日本一同、掌を合わせて「南無妙法蓮華経」「南無日蓮大聖人」と唱え奉る時が必ず来るのであります。

 大聖人様のこの重大なる御化導をお手伝い申し上げる顕正会は、なんと有難い立場なのか。
 さあ、四年後の二百万をめざし、共に歓喜を語り合い、大地ゆるがす大行進を以て、何としても大聖人様に応え奉ろうではありませんか。以上。(大拍手)
 

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