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 日蓮大聖人の大願は「立正安国」

   亡国の巨大地震・国家破産・原発災害・他国侵逼は迫る

   国立戒壇を建立すれば日本は安泰に

 
 きょうの総幹部会も凄いですね。御本尊様の功徳の有難さが満ち、燃えるような広宣流布への熱情がこの大会場にたぎっている。まさに仏弟子の大集団なればこそであります。
 迎える七月は、大事な立正安国論の月であります。そしてこの月に、日蓮大聖人の御遺命を奉ずる唯一の団体・顕正会が、いよいよ一六○万に成る。
 今後の御奉公を思えば、ただ胸躍る思いであります。
 

 立正安国論の御意を拝し奉る

 
 きょうは七月に因んで、立正安国論の御意を深く拝し奉りたい。
 

 大聖人御出現当時の日本国の状況

 
 まず、大聖人御出現当時の日本はどんな状況であったかというと―― 撰時抄に「悪鬼の身に入る大僧等国中に充満せり。其の時、智人一人出現せり」との仰せのごとく、日本国中に邪法の悪僧たちが充満しており、その只中に日蓮大聖人が唯一人、御出現されたのであります。
 しかも国主をはじめ全民衆は、一人残らずこれら邪法の悪僧たちにたぶらかされ、深く尊敬していたのです。
 このような悪国・悪時には、天台・伝教等の迹化の菩薩では、とうてい大難に堪えられない。
 当時日本に蔓延っていた念仏・真言・禅・律等の諸宗はことごとく、釈尊出世の本懐たる法華経にも背く謗法の宗であり、人々を地獄に堕とす邪法であった。
 そして成仏の叶う大法は、法華経の本門寿量品の文底に秘沈された南無妙法蓮華経以外にはない。
 このことを知り給うたのは、日本国で唯日蓮大聖人御一人であられた。
 

 大慈悲の御教導

 
 ここに大聖人は大慈悲を起こされ、人々に対し「早く邪法を捨てて南無妙法蓮華経と唱えよ」とお勧め下された。毒を捨てて薬を服みなさいと、お教え下さったのです。
 これを見た悪僧たちは、法の邪正などは眼中におかず、ただ己れの地位と利権を守るために、大聖人を強く憎み民衆を煽動した。
 

 前代未聞の巨大地震

 
 そして立宗より四年目の正嘉元年の八月二十三日、前代未聞の巨大地震が発生した。それだけではない。以来、異常気象が打ち続き、大飢饉・大疫病(強毒性の感染症)が起こり、ついに国民の過半が死に絶えるという事態に至った。
 この惨状は立正安国論の冒頭に、大聖人様が流麗の筆致を以て活写あそばされている。
 「旅客来りて嘆いて日く、近年より近日に至るまで、天変地夭・飢饉疫癘遍く天下に満ち、広く地上に迸る。牛馬巷に斃れ、骸骨路に充てり。死を招くの輩既に大半を超え、之を悲まざるの族敢えて一人も無し」と。
 まさに目を覆わしめる惨状だったのであります。
 

 立正安国論を奏進

 
 ここに大聖人は「この災難は国中が正しい仏法に背く、すなわち謗法より事起こる」と判ぜられ、時の国主・北条時頼に対し「もし謗法を止めなければ、日本国の一切衆生、今生には他国侵逼の大難を受け、後生には無間地獄に堕するであろう」と厳然と予言され、「速かに三大秘法を立てて仏国を実現せよ」と、一巻の書を以て諌暁あそばされた。これが立正安国論であります。
 ひとたび筆をお執りになれば萬言たちどころに成る大聖人様が、この立正安国論においては、実に正嘉元年の巨大地震より三ヶ年の沈思黙考を経て著わし給うておられる。
 ゆえに立正安国論の奥書には「正嘉より之を始め、文応元年に勘え畢んぬ」と。この周到なる御用意を拝しても、立正安国論がいかに重大の書であるか、よくよく思うべきであります。
 

 職業坊主には御聖意わからず

 
 そして国主への「立正安国論奏進」というのは、単なる論文の提出ではないですよ。
 思い出すのですが ―― 身延派の坊主で、立正大学の教授を務めていた戸頃重基という男がいた。この者は「日蓮という人・その虚像と実像」という自著の中で「立正安国論は、幕府に対し、国師たらんことを希望した就職論文だった」などと書いている。信心の全くない、心根卑しき者が見れば、そう見えるのかも知れない。
 この者は世間では有名な学者ですよ。そこで池田大作はこの者に狙いをつけ、大石寺に招いて正本堂に案内し、その感想文を聖教新聞に載せている。その中で戸頃は正本堂を讃歎し、国立戒壇と顕正会を誹謗していた。
 カネさえもらえば何でも書く。このような卑しき男には、立正安国論も「就職論文」に見えるに違いない。これを無道心、無慚無愧というのであります。
 

 「必ず身命を喪わんか」

 
 いいですか。立正安国論の奏進とは、実に身命を失うことを意味していたのです。
 当時は武家による独裁専制の時代ですよ。しかも天魔その身に入る邪僧たちは国に充満し、権力者の心をとらえていた。国主の北条時頼は禅宗に帰依し、執権の北条重時は念仏の狂信者であった。かかる権力者に対し「謗法を止めよ」と直諌あそばすことは、身命に及ぶこと必定だったのであります。
 ゆえに教機時国抄には「之を顕わすは法華経の行者なり。而れども、必ず身命を喪わんか」と。
 事実、この御諌暁の翌月には、念仏者数千人が北条重時の同意のもと、松葉ヶ谷の草庵を襲撃して大聖人を夜中、殺害せんとした。その翌年には重時の子の執権・長時によって伊豆流罪が行われ、さらに竜の口の死罪、引き続き骨まで凍る佐渡流罪がなされている。
 まさに立正安国論奏進を機として、大聖人様の身命を奪わんとする異常な迫害が、波のごとく襲って来たのであります。
 「必ず身命を喪わんか」との仰せの、何と重いことか。身命を捨てて日本国の一切衆生を現当二世に救わんとの大慈大悲を拝せば、ただ涙があふれてまいります。
 

 他国侵逼の御予言の重大さ

 
 この立正安国論には、「他国侵逼」の御予言が厳然と記されている。これはまことに重大であります。
 いいですか。当時の人々は「日本は四方を海で囲まれている。海を渡ってどこの国が日本を侵略しようか」とみな思っていた。だから誰ひとりとして、大聖人の御予言を信ずる者はいなかった。
 その中で、大聖人ただ御一人「先難是れ明らかなり、後災何ぞ疑わん。・・・・其の時何んが為んや」「帝王は国家を基として天下を治め、人臣は田園を領して世上を保つ。而るに他方の賊来たりて其の国を侵逼し、自界叛逆して其の地を掠領せば、豈驚かざらんや、豈騒がざらんや。国を失い家を滅せば、何れの所にか世を遁れん」と他国侵逼と白界叛逆(内乱)を断言あそばされたのです。
 そしてこの御予言は、十四年後、一分も違わず符合した。すなわち大蒙古が、二度にわたって日本に押し寄せて来たのであります。
 

 「徴有る文」

 
 ゆえに立正安国論の奥書には、大聖人御自ら「此の書は徴有る文なり」と記し給うておられる。
 まさに立正安国論こそ、理論と現証の一致を以て御教示下された、未来永遠にわたる国家安泰・世界平和の一大指南書である。ゆえに人類の存する限り、国家のある限り、この立正安国論に示された法則のままに、人類も国家も動いていくのであります。
 

 日蓮大聖人こそ久遠元初の御本仏

 
 では、この御予言的中がなぜ重大なのかといえば 日蓮大聖人が久遠元初の自受用身・末法下種の本仏であられることを立証する、大現証だからであります。
 立正安国論の御予言というのは、占い師の当てごとでもなければ、政治評論家や軍事評論家などの、状勢分析による予測でもない。そのようなものは必ず外れる。
 実に安国論の御予言は、三世を知り法界の淵底を究められた仏様の、仏智による御断定なのであります。


 諸天の存在を知れ

 
 いいですか。仏法を守護する諸天の存在と、その力用を知らなければ、この御予言の意義はわからないのです。
 この大宇宙には、仏法を守護する諸天善神という天上界の生命活動が、厳として存在している。その諸天とは梵天・帝釈・日月・四天等です。そしてその力用は、まさに宇宙的スケールであります。
 これらの諸天は、御本仏を迫害する国があれば、まず天変地夭を以てその国を諌める。しかしなお国主・万民が迫害を続けるならば、諸天は人の心に入って自界叛逆(国内の抗争)を起こさせ、ついには隣国にこの国を責めしむる。これが御本仏の化導を助けまいらせる諸天の働きなのであります。
 

 御本仏のゆえに諸天 厳然守護

 
 ゆえに蒙古襲来直後の文永十一年十一月に認められた「聖人知三世事」には「日蓮は一閻浮提第一の聖人なり。上一人より下万民に至るまで之を軽毀し、刀杖を加え流罪に処するが故に、梵と釈と日月・四天、隣国に仰せ付けて之を逼責するなり」と。
 「一閻浮提第一の聖人」とは、まさに三世十方の諸仏の大本の本仏である久遠元初の自受用身ということです。
 大聖人様が久遠元初の自受用身であられればこそ、梵天・帝釈等は隣国に命じて謗法の日本を責めしめ、大聖人を守護し奉ったのであります。
 

 諸天に申し付けて御化導あそばす

 
 さらに深く拝するならば、大聖人様は諸天に申し付けて化導をあそばしておられる。
 ゆえに「王舎城事」には「法華経の敵となりし人をば、梵天・帝釈・日月・四天罰し給いて、皆人に見懲りさせ給え、と申し付けて候。日蓮、法華経の行者にてあるなしは、是れにて御覧あるべし。乃至、あへてにくみては申さず、大慈大悲の力、無間地獄の大苦を今生に消さしめんとなり」と。
 御本仏・日蓮大聖人を怨み敵対することが、どれほどその人の罪業になるか。このことをわからせるために、人々に他国侵逼の大難を見せて懲りさせよと、大聖人は諸天に申し付けておられる。久遠元初の自受用身でなくして、どうして諸天に申し付けることができましょうか。
 ゆえに「日蓮、法華経の行者にてあるなしは、是れにて御覧あるべし」と仰せられる。この「法華経の行者」とは、熟脱の法華経の行者ではない。神国王御書に仰せの「南無妙法蓮華経の法華経の行者」すなわち下種の法華経の行者であり、久遠元初の自受用身のことであります。
 ここに、諸天に申し付けたことが事実となるか虚しくなるかを以て、大聖人が久遠元初の自受用身であるかないかを、しかと見るべしと仰せられる。
 そして「これは、怨をなす者を憎んで言うのではない。大慈大悲の力、すなわち現世の大罰を以て人々を改悔せしめ、死後の無間地獄の大苦を今生に消さしめんとするものである」――と。
 なんという大慈大悲であられるか。
 

 冥々の御守護

 
 そのうえ、現世の大罰たる他国侵逼すら、諸天に申し付けて冥々のうちに日本国をご守護下された。だから日本は亡びなかったのです。
 私が成人式のときに「大聖人の御頸は刎ねて刎ねられず、日本の柱は倒して倒されず、よって日本国も亡んで亡びず。これ大聖人様の大慈大悲と絶大威徳による」と述べたのはこのことです。
 これが仏様の御化導なのであります。
 ここに立正安国論の御予言の重大意義が始めてわかってくる。まさに日蓮大聖人こそ久遠元初の自受用身であられ、その厳たる証明が、この予言的中だったのであります。
 

 逆縁広布と順縁広布

 
 そして日本国の一切衆生は、大蒙古の責めに怯え切る中に、一人のこらず、日蓮大聖人の重き御存在と南無妙法蓮華経を命に刻み、未来に仏に成る種を植えて頂いた。これが御在世の逆縁下種であります。
 さらに時来たれば、日本一同に、日蓮大聖人を恋慕渇仰して「南無妙法蓮華経」と唱え奉る時が必ず来る。これが順縁広布であります。
 

 大聖人御一人のお力で

 
 そして大事なことは、逆縁広布も順縁広布も、大聖人御一人のお力によって成されるということです。
 ゆえに報恩抄には「日蓮が慈悲廣大ならば、南無妙法蓮華経は万年の外未来までもながるべし」と。
 この仰せを拝せば、七百年後の日本国の順縁広布が、大聖人御一人のお力で成されるのは理の当然であります。
 だから、凡夫の頭で考えて「広宣流布ができるとか、できないとか」少しも心配することはない。私は全く心配したことがない。
 時来たれば「ただをかせ給へ。梵天・帝釈等の御計いとして、日本国一時に信ずる事あるべし」との仰せが事実となるのです。
 大聖人様は梵天・帝釈等の諸天に申し付けて客観状勢を作らしめ、忠誠を貫く地涌の菩薩の大集団を用いて、必ず広宣流布をあそばすのであります。
 

 日寛上人の御指南

 
 この逆縁広布と順縁広布について、日寛上人は撰時抄文段に、こう仰せられている。
 「逆縁に約せば、日本国中広宣流布なり。況んや如来の金言は大海の潮の時を差えざるが如く、春の後に夏の来たるが如く秋毫も差うことなし。若し爾らば、終には上一人より下万民に至るまで、一同に他事を捨てて皆南無妙法蓮華経と唱うべし。順縁広布、何ぞ須く之を疑うべけんや。時を待つべきのみ」と。
 ――逆縁に約せば、大聖人御在世はすでに広宣流布である。いわんや仏様の金言は、大海の潮が時を違えないように、春の後に夏が来るように、些かも違うことがない。さればついには日本一同が他事を捨てて南無妙法蓮華経と唱え奉る時が必ず来る。この順縁広布、どうしてこれを疑うことができようか。ただ時を待つべきのみ――と。
 これ、徳川中期に御出現になった日寛上人の御言葉ですよ。徳川時代は未だ順縁広布の時ではない。だが必ずその時が来る。ゆえに「時を待つべきのみ」と仰せられているのであります。
 

 順縁広布の「時」いよいよ到来

 
 私は、いよいよその「時」が到来したことを、今、肌身に感じております。
 その理由は、御本仏の唯一の御遺命たる「国立戒壇」を正系門家が抛ってしまったこと。
 そして、この御遺命違背の罰として、今、前代未聞の大地動乱が始まり、国家破産、原発災害、他国侵逼等の亡国の大災難が、刻々と日本に迫りつつあるからであります。
 

 正系門家御遺命に背く

 
 何よりの大悪は、正系門家の御遺命違背ですよ。
 いいですか。国立戒壇の建立は日蓮大聖人の唯一の御遺命、そして宗門七百年の宿願であった。
 このことは一期弘法付嘱書と三大秘法抄に天日のごとく明かであり、歴代先師上人が異口同音に仰せられるところであります。
 ゆえに富士大石寺・第六十四世・日昇上人は奉安殿落成の折の慶讃文で「国立戒壇の建立を待ちて六百七十余年、今日に至れり。国立戒壇こそ本宗の宿願なり」と。
 また第六十五世日淳上人は「蓮祖は国立戒壇を本願とせられ、これを事の戒壇と称せられた」と御指南下されている。
 この国立戒壇とは、日本一同が帰依する広宣流布の時、仏法を守護するとの国家意志の表明を手続として、富士山に立てられる「本門の戒壇」のこと。これが日蓮大聖人の唯一の御遺命なのであります。
 しかるに、政治野心に狂った池田大作は「選挙の邪魔になる」として国立戒壇を否定し、未だ広宣流布もしないうちに、「民衆立」と称して学会員による偽戒壇・正本堂を大石寺境内のはずれに建てた。
 正系門家の貫首は、このような違背は断固として摧かなければいけない。だが六十六・七世の細井日達・阿部日顕は、あろうことか池田大作の金力・権力にへつらってこの大それた誑惑に協力し、諌める顕正会をかえって解散処分に付した。
 まさに七百年来未曽有の大悪が起きたのであります。
 

 未曽有の大悪こそ広宣流布の大瑞

 
 御書には「大事には小瑞なし、大悪をこれば大善きたる」(大悪大善御書)と。
 この仰せを拝するならば、まさしく御遺命破壊の大悪こそ、いよいよ広宣流布・国立戒壇が事実となる大瑞であります。

 正本堂以降、亡国の舞台装置が 


 また大聖人様は伝教大師の正系門家・叡山にこと寄せて、仏法と国家の安危をお示し下されている。
 「仏法の滅・不滅は叡山にあるべし。叡山の仏法滅せるかのゆえに、異国我が朝を亡ぼさんとす」(法門申さるべき様の事)と。
 この仰せを拝するならば、日蓮大聖人の正系門家が大事の御遺命を抛てば、必ず国が亡ぶのであります。
 見てごらんなさい。亡国の凶兆たる巨大地震の連発は、一昨年の3・11を皮切りとしてすでに始まっている。そして亡国をもたらす国家破産・原発災害・他国侵逼の災厄も、すべて偽戒壇・正本堂以後にその姿を現わし始めている。亡国の舞台装置が着々と整って来たのです。

 国家破産

 
 まず国家破産を見れば、財政規律を無視して赤字国債の濫発が始まったのは、正本堂建立の昭和四七年(一九七二年)からですよ。時の総理大臣は金権政治で有名な田中角栄であった。以来、年々、国の借金は増え続け、ついにいま一千兆円超となり、国家破産不可避という状態にまでなってしまった。
 

  原発災害

 
 また巨大地震やテロによって、放射能を吐き出す「魔物」と化す原発も、正本堂以後に林立して、ついに今日の五四基になってしまった。
 巨大地震はいよいよこれからですよ。さらに隣国のテロ工作員は、日本の最大の弱点である原発を狙っている。もし再び原発の大事故が起これば、日本列島が居住不能となってしまうではないか。
 しかるに安倍首相は原発再稼働に前のめりになり、原発輸出のトップセールスに励んでいる。まさに狂気の沙汰という以外にはない。
 

 他国侵逼

 
 さらに文化大革命で疲弊し切った中国が、いま軍事超大国となって日本を脅かすに至ったのも、正本堂の年に成立した「日中国交正常化」による。
 この年から、ODAを始めとする莫大なカネが中国に流れ、このカネが日本を脅かす核兵器となったのです。この支援の道筋をつけたのも池田大作です。
 まさに偽戒壇・正本堂以降、日本は亡国の坂道を転がり始めたのであります。
 

 「国立戒壇否定」は続く

 
 この正本堂は、顕正会の連々たる諌暁によって始まった学会と宗門との抗争により、平成十年、ついに崩壊した。
 だが「国立戒壇」だけは、未だに宗門も学会も、頑なにこれを否定している。
 

 仏法より事おこる

 
 日本一同は七百年来、日蓮大聖人の仏法に背き続けてきた。そのうえ今、正系門家が御遺命に背いてしまった。これが広布前夜の日本の姿なのです。かかる時は、日本の亡国はいよいよ加速度を増す。
 この時、為政者がいかなる良き政策を打ち出そうとも、かえって裏目となる。いわんや安倍政権の悪政においておや。いかにいわんや安倍首相が真言密教などを信ずるにおいておやであります。
 

 アベノミクスで国家破産早まる

 
 見てごらんなさい。アベノミクスにより国家破産は早まりつつあるではないか。
 

 返済不能の大借金

 
 日本は昭和二〇年の敗戦のときに一度、国家破産している。このときは戦争の費用調達のため、止むを得ず大量の国債を発行し、それを日銀に買い取らせたのです。この敗戦時の財政赤字は、対GDP比率で二〇〇%超であったが国家破産が起きたのです。
 ところが七〇年後の今日、日本の財政赤字はこれを遥かに超える、実に二四五%(国債・地方債の合計、IMF推定)ですよ。もう限界を超えている。いつ国家破産が起きてもおかしくないのです。
 だから本来ならば、国を挙げ、歯を食いしばって、官民一体になってこの大借金を減らさなければいけない。政治家は国民に実状を訴えて、その先陣に立たなければいけないのです。
 

 無謀な国債濫発!

 
 しかるに安倍首相は正反対のことをやり始めた。大借金の上にさらに国債を濫発して日銀に買い取らせ、そのカネを市中にバラ撒いたのです。
 かくて円安になり、株は上がり、景気がよくなるように見えた。株が上がれば内閣の支持率も上昇する。これこそが安倍晋三の狙いだったのです。まさにアベノミクスというのは、選挙のため、政権維持のための、騙しなのです。
 なるほど株は上がった。安倍首相が「国債濫発」「日銀買取り」「公共事業」を宣伝し始めた昨年十一月から上昇を始めた。ことに本年四月四日、黒田日銀総裁が「異次元の金融緩和」を発表してからは鰻上りに高値を更新した。
 

 化けの皮 剥がれる

 
 しかし、とうとう化けの皮が剥がれましたね。それが五月二三日の大暴落ですよ。一万六千円を目前にしていた株価が突如、一千一四三円も暴落し、その後、乱高下が続き、六月一三日までに約二二%も下落した。これは’87年にニューヨーク株式市場を襲った歴史的大暴落のブラックマンデーの二三%に匹敵するものです。
 この日を境に、それまでイケイケ相場だった市場の空気は一変しましたね。この大暴落はなぜ起きたかといえば、昨年十一月ごろから買い続けてきた海外のヘッジファンドが一斉に売ったからです。彼らが投入した資金は十兆円、市場取引の七割を占めていたという。
 彼らはアベノミクスなど最初から少しも信用していない。実体経済とは関係のないバブルだということを知りぬいている。彼らはアベノミクスでカネがジャブジャブになれば円安になり、株価が上がることがわかっていたから、それに食いついただけです。
 しかし相場の脆いことを知っているから、米国経済の動向、中国経済の動向を睨みつつ、潮時と見て一斉に売ったのです。お蔭で一般投資家は大火傷をした。
 

 長期金利も上昇

 
 株価の乱高下だけではない、長期金利も上昇してきた。これは国債価格が下がり始めたからです。
 黒田日銀総裁は異次元金融緩和を進めるに当って、「日銀が国債を買い上げるから、長期金利は必ず下がる」と明言していた。しかし今や「長期金利はコントロールできない」と、一転、弱気な発言をするようになった。
 つまり、株価も長期金利も、制御不能になったのです。安倍と黒田の二人三脚はついこの間まで「アベクロノミクス」などとマスコミに持て囃されていたが、今や薄氷の上を踊る、リズムの狂った「アベクロサンバ」になっちやった(笑)。
 

 国債暴落こそ国家破産に直結

 
 いいですか。国家破産必至といわれている一千兆円の大借金の上に、さらに国債を濫発してカネをバラ撒けば、通貨の価値は下落してインフレを招き、国債の信認は毀損して国債暴落が起こることは、理の当然です。
 そしてこの「国債暴落」こそ、国家破産に直結するものなのであります。
 安倍晋三と黒田東彦は、国民を騙しているのです。しかし、人のいい日本国民は騙せても、国際金融のプロの目はごまかせない。
 

 フリードマン氏の警告

 
 スイスに本拠を置く世界的な投資銀行・UBS銀行のグローバル最高投資責任者のアレックス・フリードマン氏は六月五日、アメリカの三大ネットワークの一つNBC系列のニュース専門チャンネルに出演して、アベノミクスが悲劇的な結果をもたらすであろう危険性について、次のように述べた。
 「資産インフレに経済成長が伴わないスタグフレーション(不況とインフレの同時発生)が起きる可能性がある。私たちはハルマゲドンならぬ゙アベマゲドン゙を目の当りにするだろう。
 そのシナリオでは、投資家が日本の国債をさらに売り払うドミノ倒しが起きる。日本の債務水準が、今後も維持できるかどうかに懸念が生じているためだ。日本の借金はGDP比で300%まで上昇し、長期金利は5%に近づくだろう。そうなると金融システムには深刻な打撃が加わり、地方銀行の自己資本が大きく毀損されてしまう」と。
 このように「国債暴落」を予測したうえで、こう指摘した。「最悪の場合、今後数ヶ月の間に、日本経済はクラッシュするかもしれない」と。
 この「クラッシュ」とは国家破産ということです。まことに日本国民にとって、恐ろしい警告であります。
 

 河野龍太郎氏の警告

 
 海外だけではない。国内の専門家も厳しい見方をしている。BNPパリバ証券・チーフエコノミストの河野龍太郎氏は「日銀が金融緩和を続ければ、長期金利上昇と円安進展の負のスパイラルが生じ、最悪の場合は、財政危機、金融システムの動揺、資本逃避(キャピタルフライト)が同時に訪れる可能性がある。それは、ちょっとしたきっかけで急激に起こる突然死であると同時に、再び立ち上がることが非常に難しい深刻な危機になる」と。
 フリードマン氏は「クラッシュ」といい、河野氏は「突然死」という。まさに日本経済の破滅であります。
 

 なりふり構わぬ株価対策

 
 しかし安倍政権が頼りとするのは「株価上昇」以外にない。もし株が下がったら、そのとき安倍首相は「株と共に去りぬ」ということになっちゃう(爆笑)。
 ですから七月の参院選に向けて、彼は何でもやる。六月七日には厚生年金や国民年金の積立金まで株式市場に投入すると言い出した。国民から徴収した大事なおカネを博打場に注ぎ込むというのです。
 当面、国民は騙せるから、参議院選挙はどうやら勝つかもしれない。
 しかし、とどのつまりは、株も、円も、国債も大暴落し、日本経済は破滅する。そして国民が、ハイパーインフレで地獄の苦しみを受けるのであります。
 

 「始め良し、後で大罰」

 
 安倍内閣のロケットスタートは、まもなくロケット落としになる。まさに「始め良し、後で大罰」の「真言亡国」そのままの姿を現ずるから、よーく見ていてほしい。
 

 巨大地震

 
 ついでこの国に、首都圏直下と南海トラフという二つの超巨大地震が襲ってくる。この巨大地震は日本に潰滅的被害を与えること必定です。
 

 ついに他国侵逼

 
 そして、この息も絶え絶えの日本に、恐るべき他国侵逼の大難が押し寄せてくるのです。中国の圧倒的な軍事力の前に、どうして日本が生き延びられようか。
 まさに立正安国論に仰せの「国を失い家を滅せば、何れの所にか世を遁れん」との仰せが、事実となるのであります。
 

 日蓮大聖人御一人が亡国をお救い下さる

 
 この亡国の悲惨をお救い下さるのは、もう「唯我一人能為救護」の御本仏・日蓮大聖人ただ御一人しか、ましまさない。
 そして大聖人様のこの重大な御化導をお手伝い申し上げるのは、御遺命を守り奉った顕正会以外にはあるべくもない。
 立正とは詮ずるところ国立戒壇の建立であれば、国立戒壇を抛った学会・宗門には、もう立正安国を叫ぶ資格はない。顕正会だけが、国立戒壇建立の御奉公をさせて頂けるのであります。
 この顕正会は今、一六○万に成らんとしている。この一六〇万は、まもなく二百万になり、五百万になり、一千万となる。
 

 亡国の前に!他国侵逼の前に!

 
 しかし国立戒壇建立の鍵たる国家意志の決定には、どうしても六千万の地涌出現を成し遂げなければならない。
 このこと、日本の亡びる前に、他国侵逼の前に、何としても成し遂げなければならない。
 凡夫の眼には不可能に見えるかもしれない。しかし大聖人様の絶大威力によって、必ず一時に或る。さもなければ日本が亡んでしまう。
 この大事な基盤たる一六○万をこの七月に築くのです。全顕正会員が恋慕渇仰の信心口唱の中に、共に励まし、七月十六日を見つめて前進したい。大聖人様は必ず御照覧あそばす。
 さあ、地涌の菩薩の面目にかけて、大歓喜の中に一六〇万を大きく突破しようではありませんか。以上。(大拍手)
 

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