Blue Flower

  御遺命破壊と同時進行で原発林立

    日蓮大聖人の本国土汚染させてなるか

    正本堂崩壊を見よ、祈りは必ず叶う

 
 きょうの総幹部会も素晴らしいですね。
 御本尊様の功徳の感激と、何としても日本を救わんとの気魂が満ち満ちている。このような団体は顕正会以外にないのです。この姿こそ、末法濁悪の世に戦う、地涌の菩薩の集団なのであります。
 さあ、本年の初陣も中盤の三月を迎えました。いよいよ全員が「原発全廃特集号」を片手に、全日本人に、原発は日本を滅ぼすこと、そして人も国も根本からお救い下さる日蓮大聖人の大恩徳を教え、堂々と広宣流布を推し進めていきたい。
 
 日本を救う新たな諌暁書
 
 今回の原発全廃特集号は、まさしく日本を救う諌暁書であります。顕正会の前進が、事前告知の段階から日本を救う段階に移ってきたゆえに、新たな諌暁書が出来したのであります。
 平成一六年の諫暁書「日蓮大聖人に背く日本は必ず亡ぶ」の冒頭に、私はこう記した。「まもなく始まる巨大地震の連発を号鐘として、乃至、ついには亡国の他国侵逼が起こる」と。それより八年、今、その巨大地震の連発が「3・11」によって口火が切られ、原発災害がまず眼前に起きて来たのです。
 ここに、大罰を事前に告知する段階から、眼前の大罰を見つめさせ御本尊の功徳を教える「日本を救う戦い」に入った。この新しい段階の諌暁書こそ、今回の原発全廃特集号なのであります。
 
 すでに百万部配布
 
 この特集号、私は国会議員および全国地方自治体の首長、さらに都・市・町・村の全議員、また言論人、マスコミ関係者、約三万ヶ所に送付いたしました。
 さらに全顕正会員による真心の配布は、二月七日の出来より本日までのわずか二〇日の間に、すでに百万部を超えております。このように、日本を救う諌暁書は、今しんしんと日本全土に浸透しつつある。
 これを読んでわからぬ者はない、と私は確信しております。もし「わからない」という者がいたら、それはわからないのではない、わかりたくないのです。これを偏見といい怨嫉というのであります。 
 
 未活動の人にも
 
 またこの特集号は、入信してもまだ自覚のない人、未活動の人々にも、ぜひ読ませてほしい。そして共に感激を語り合い、信心をめざめさせ、日本を救う戦い、広宣流布の戦列に、ぜひ加えてほしいと念願しております。
 ついでに言っておきますが、活動してない人を、よく一口に「退転者」というでしょ。この言葉、私はあまり好きではない。適切ではない。「未活動の人」と言った方がいいですね。「退転」というのは、信心を破って退くこと。あるいは叛逆して退くことを意味する。要するに大聖人を裏切ることですよ。
 一方、未活動あるいは未自覚の人は、退転ではなくて、まだきちんと指導を受けてない。いわば「生みっぱなし」「置き去り」にされている場合が多い。生みっぱなしでは大きな顔はできない。だから心なく「退転者」などと言うのは適切でないというのです。
 そこにいま大罰の時代・日本の亡国を前にして、この特集号を共に読み共に語り合い、地涌の菩薩の魂にめざめさせてほしいのです。「よし、私も今日からしっかりお題目を唱えて、日本を救う戦いに立ちます」と。この決意に立ったら、その人はもう地涌の菩薩の一分ですよ。 
 
 感激・情熱・確信で
 
 こちらに感激と情熱と確信があれば、相手も必ず立つ。この感激の輪を広げて、どの組織も、地涌の菩薩の団結で戦いを進めてほしい。
 一五〇万の団結で大きな戦いを起こし、何としても大聖人様に応え奉りたい。こう私は念願しておりますが、みなさん、どうでしょうか。(大拍手) 
 
 すべては「仏法より事起こる」
 
 さて、これは仏法を知らぬ世間の人々にはわからぬが、いま眼前にある原発災害も、これから起こる国家破産も、他国侵逼も、すべてはこれ「仏法より事起こる」のであります。すなわち 日本一同は日蓮大聖人に七百年来背き続けてきた。加えて正系門家まで国立戒壇の御遺命を抹殺するために偽戒壇・正本堂を建ててしまった。 
 
 最大の師敵対
 
 この御遺命破壊がどれはどの大悪事であったか――。いいですか。大聖人様は、日本を仏国となし地球上を寂光土とする唯一の秘術として、広宣流布の暁の国立戒壇建立を御遺命あそばされたのです。
 しかるに学会・宗門は、国立戒壇を否定するために建てた偽戒壇・正本堂に、国立戒壇に安置し奉るべきとて留め置かれた戒壇の大御本尊を居え奉って、一国を欺いたのである。大聖人様への師敵対、戒壇の大御本尊に対し奉る不敬・冒涜、これに過ぎたるはない。 
 
 仏法は体、世間は影
 
 ここに「仏法は体、世間は影」であれば、この正本堂以後、不思議にも、国の亡びるお膳立てが年々整ってきた、むくむくと頭をもたげて来たのであります。
 それが、この狭い日本列島に五四基の原発が林立したことであり、国家破産を招く一千兆円にもおよぶ大借金であり、日本を侵略するに足る中国の軍事大膨張なのであります。
 この亡国の三つの災厄が、すべて正本堂以後に鎌首をもたげて来たことは、先般、顕正新聞においてグラフで示したとおりであります。
 
 御遺命破壊と同時進行
 
 その中で、御遺命破壊と同時進行で進んだ原発設置の経緯について、今日は少し述べてみたいと思っております。 
 
 石油枯渇の恐怖
 
 日本を滅ぼすほどの恐ろしい原発が、なぜこれほど急速に推進されたのかというと、その背景には「石油・石炭等の化石燃料はいずれ枯渇する」という恐怖があり、「原子力こそ未来のエネルギー源」という思い込みがあった。
 そしてこの恐怖・思い込みは、「石油はあと何年しかもたない」という謀略的宣伝から生じたのです。  事実、一九六〇年(昭和三五年)、池田大作が会長に就任した年でありますが、この年には石油の可採年数は「あと三五年」といわれた。ところが三〇年後の一九九〇年になると「あと四五年はある」となり、最近では「五〇年は大丈夫」となった。
 一方、原発燃料のウランの埋蔵量は、実際には石油よりグッと少なく、ウランのほうが石油より先に枯渇してしまうことが最近になって分かってきた。しかし一九六〇年代には、「資源小国・日本にとって、原発こそは・・・」という思い込みがなされていたのであります。 
 
 最初のたばかり説法
 
 そのような中、仏法の世界ではどういうことが行われていたか。一九六五年(昭和四〇年)の二月十六日、細井日達が始めて正本堂の意義について説法した。
 どんな説法であったかというと「大御本尊のおわします堂はそのまま戒壇であるから、大本門寺建立の戒も、戒壇の御本尊は特別な戒壇堂ではなく、本堂にご安置すべきである。したがって現在では、大石寺の本堂にご安置することが、最もふさわしい」(大日蓮・昭和40年3月号)というものであった。このわけのわからぬ「たばかり説法」により、「正本堂は御遺命の戒壇」と意義づけられてしまったのです。
 この説法を承けて、池田大作は鬼の首でも取ったように、学会の集会でこう宣言した。「猊下が、正本堂を御遺命の戒壇であると断定された」と。まさにこの年の細井日達のたばかり説法が、御遺命破壊の始めだったのであります。 
 
 翌年、最初の原発
 
 その翌年の一九六六年七月二五日、日本最初の商業用原子炉である東海原発が運転を開始した。また四年後の一九七〇年には福井県美浜原発一号機が、さらに七一年には福島第一原発一号機が運転を開始したのです。
 しかしこの裏で、実は秘密裏に「事故発生時にどれほどの被害が起きるか」との分析がなされていた。科学技術庁が日本原子力産業会議に委託して、一九六〇年に報告書を作らせていた。それによれば「大事故発生時には、三万人が永久に立ち退きを求められ、損害額は少なく見積もっても一兆円に上る」とあった。当時の国家予算は一兆七千億円ていどだから、一兆円に上る損害額というのは、まさに国家破綻の危機に直面する事態が起きるということです。
 日本でも、こういう報告書がすでにあったんですね。だが、この報告書はその後、三九年間も隠し続けられた。しかし政府・電力会社の首脳部は知っていたから、原発推進は冷や水をかけられ、しばし足踏みをしていたわけです。 
 
 偽戒壇・正本堂落成
 
 だがこの足踏み・躊躇を吹き飛ばし、爆発的に原発を作る転機が訪れた。それが一九七二年、顕正会員ならよーく知ってる昭和四七年ですよ。この年、仏法の世界では、偽戒壇・正本堂がいよいよ落成した。
 同時に政治の世界では、「日本列島改造論」と金権政治で名を残したあの田中角栄が総理大臣に就任したのであります。
 
 名実ともに御遺命を破壊
 
 いいですか。まさしくこの年に御遺命が破壊されたのです。
 細井日達はこの年の四月、「後代の誠証」のためとして「訓諭」を次のごとく発布した。 
 
 「正本堂は、一期弘法付嘱書並びに三大秘法抄の意義を含む現時における事の戒壇なり。即ち正本堂は広宣流布の暁に本門寺の戒壇たるべき大殿堂なり」と。
 次いで六月には阿部日顕(当時・宗務院教学部長)が「国立戒壇論の誤りについて」を著わし、その上で一〇月、ついに偽戒壇・正本堂が落成したのです。
 まさに昭和四七年(一九七二年)を以て、日蓮大聖人の唯一の御遺命たる「国立戒壇」は、名実ともに破壊されたのであります。
 
 石油危機
 
 そして翌一九七三年、第四次中東戦争が勃発して石油危機が起きた。「中東から石油が入ってこなくなる」という噂で日本中が大さわぎになり、トイレットペーパーを買いだめする主婦で全国のスーパーに行列ができた。 
 
 「電源三法」
 
 田中角栄はこの石油危機を奇貨として、翌七四年、原発を強力に推進するための「電源三法」を成立させた。
 この法律は、電力会社から電源開発促進税なるものを徴収して、そのカネを原発立地の地域に交付金として還元するというものです。しかし電力会社はこの電源開発促進税を電気料金に上乗せするから、少しも腹は痛まないようにできていた。
 経産省・資源平エネルギー庁のモデルケースによれば、現在、原発が新設された場合、その地域には運転開始までの一〇年間で、およそ四四九億円の交付金が支給されるという。
 事実、「東通原発」がある下北半島の東通村では、今年度予算の四五%、六ヶ所村でも一八%をこの交付金でまかなっている。また浜岡原発のある御前崎市も、原子力関連歳入が予算の四割を占めているのです。
 
 カネで理性麻痺
 
 濡れ手に粟の巨額な「つかみガネ」は、人間の理性を麻蝉させる。
 原発の先進地である福井県敦賀市の高木孝一市長は一九八三年一月、福井に隣接する石川県志賀町で原発建設の話が持ち上がったとき、招かれて地元商工会の講演会で、こんな本音を吐いている。この市長は全国原子力発電所・所在市町村協議会の会長ですよ。そのまま読みます。
 「まあ原子力発電所が来る。(電源)三法のカネはもらうけど、その他に地域振興に対して、裏金よこせ、協力金よこせ、というのがそれぞれの地域にある。お宮さん(神社)の修理のため、原電、動燃、北陸電力に寄付を頼んで三億円できた。そんなわけで、短大は建つわ、高校はできるわ、五〇億円で運動公園はできるわ。そりやあもう、タナボタ式の街づくりができる。その代わり、一〇〇年経ってカタワが生まれてくるやら、五〇年後に生まれた子供が全部カタワになるやら、それはわかりませんよ。わかりませんけど、今の段階では(原発を)おやりになった方がよい」と。まことにあけすけな話ですね。
 このような空気の中で原発の誘致合戦が展開され、あっという間に五四基もの原発が日本列島に林立したのです。
 
 総括原価方式と地域独占
 
 電力会社というのは、いくらカネをばら撒いても損をしないようにできている。すべての費用は原価として認められ、その総和に一定の利益を上乗せして電気料金とすることが許されている。これを「総括原価方式」といって、一般の民間会社とは全く違うのです。
 また電力会社は地域独占ですよ。全国を九地域に分け、九つの電力会社が一地域づつ独占している。だからいくら電気料金が高くても競争がない。原発推進は政府主導の国策だから、これが許されたのです。 
 
 原発利益共同体
 
 このように、地域独占と総括原価方式が許された電力会社の莫大なカネに、政治家も、官僚も、財界も、学者も、マスコミも群がった。
 ここに日本で最も強力なシンジケート「原発利益共同体」ができあがったのであります。
 いいですか。電力業界からは、原発推進の政治家に対し自民党・民主党を問わずカネが流れ、選挙支援もされた。
 また許認可権を握っている経産省・文部科学省の官僚には、天下りのポストが用意された。
 財界は電力会社が牛耳っている。そして産業界の主力である東芝・日立・三菱重工等は電力会社から原子炉の発注を受け、傘下の下請けと共に潤い、また商社・銀行・ゼネコン等は巨額の設備投資や燃料調達で利益を得た。
 さらに御用学者・マスコミ・文化人・芸能人までカネに操られて「安全神話」を宜伝したのです。
 かくて国民は「原発は絶対安全」「原発がなくなったら電力不足になる」「原発の電気料金は安い」「原発こそ地球温暖化対策の決め手」などのウソに、長いこと偏されてきたのです。 
 
 「地球温暖化説」は真っ赤なウソ
 
 ちなみに「原発は地球温暖化対策の決め手」というのは、真っ赤なウソですよ。
 この論拠は「CO2地球温暖化説」にある。この説は二〇〇一年にIPCC(気候変動に関する政府間パネル)が、過去1000年間の地球気温の変化を、グラフを付けて第三次評価報告書において、「温暖化の原因は人為的なCO2にある」と発表したことから始まった。
 そしてこの説を、アメリカのゴア副大統領が選挙に利用し、マスコミもこれに乗って宣伝したので、あたかも科学的定説のごとくになったのです。
 
 IPCCの欺論すでに崩壊
 
 ところが、このグラフを見たカナダの統計学者が資料を求めてその不目然さを指摘すると、IPCCは二〇〇七年にこのグラフを取り下げた。
 さらに二〇〇九年には、このグラフが悪意によって捏造されていたという事実がインターネット上で暴露されて、世界中のメディアが「IPCCは詐欺師の集団である」と非難した。かくてIPCCとゴアの政治的プロパガンダは崩壊したのです。日本でも地球電磁気学の世界的権威といわれる赤祖父俊一氏をはじめ多くの学者が、IPCCの迷信を証拠を挙げて破している。
 さらにデンマークの国立宇宙センターの太陽・気候研究センター所長であるヘンリク・スベンスマルクは「地球の気候変動のメカニズムは太陽とそれを取り巻く宇宙の変化にある」ことを、科学的な観測実験により完璧に証明した。これにより、IPCCのCO2温暖化説はすでに完膚なきまでに粉砕されているのです。
 まさに「CO2地球温暖化説」などというのは、科学を装った迷信です。
 しかしこの迷信が日本では原発推進に利用され、国も電力会社も、国民を偏し続けてきたのであります。
 
 原発は地震で「魔物」に変身
 
 そして何より重大な騙しは、原発は地震によって猛毒を吐く「魔物」に変身することを、隠していたことです。
 実に放射能は、人間のDNAを切断し、国土を居住不能にし、民族を滅ぼし、国家を破滅させるものです。
 
 放射能の恐ろしさ
 
 先ほどの登壇でも、群馬県の婦人部総班長が、産婦人科病院に勤務している組長からの報告として、奇形児の出産が最近多いということを発表しておりましたが、「週刊文春」(3月1日号)でも、同じようなことが報道されていますね。
 福島から北海道に避難してきた児童二人の甲状腺から「ガンの疑い」がある深刻な異常が見つかったというのです。
 さらに驚くべきことは、これを発見した内科医が知り合いの甲状腺専門医を通して「検討委員会」の座長でもある山下俊一・福島県立医大副学長と連絡を取ったところ、山下副学長は「独自の検査は遠慮してほしい」と言ったという。
 この山下俊一副学長という人物は、御用学者として有名ですよ。たとえば一般人の年間被曝上限は一ミリシーベルトが基準といわれているにもかかわらず、原発事故発生直後、この山下副学長は「一○○ミリシーベルトまで大丈夫だ」と言い、また「放射能は笑っている人のところには来ない」(笑)と言った。だからこの人、いつも笑っているらしい(笑)。
 まさに御用学者として、放射能被害を隠そう隠そうとしている人物ですね。
 チェルノブイリの例をみれば、小児甲状腺ガンは四年後に急増するという。いよいよこれからなのです。
 
 野田首相の無責任
 
 しかも、福島第一原発はまだ放射能を吐き続けているし、汚染水も垂れ流し続けている。メルトスルーした核燃料はどこでどうなっているかもわからない。また応急処置で辛うじて核燃料を冷却している状態だから、大きな余震が来たら四号機などは重大な事故を起こす可能性がある。
 にもかかわらず、野田首相は昨年一二月、まやかしの「事故収束宣言」を出した。何のためにこのようなごまかしをするのかと言えば、電力会社を中心とする財界の意向を受けて、原発再稼働を急いでいるからです。
 この四月で原発は五四基すべてが止まる。天然ガス・コンバインドサイクル発電に切り換えれば少しも電力不足など起きないのに、それでは莫大な原発利益が吹っ飛んでしまう。そこで原発利益共同体は何としても「再稼働」させたいのです。
 野田首相は大いに前のめりになっている。二月二四日、彼は内閣記者のインタビューで、定期検査で停止中の原発の「再稼働」に意欲を示したうえで、こう述べた。「原子力規制庁ができる前に判断することがあるかもしれない」と。
 原子力規制庁の発足予定は四月であるから、その前に再稼働の判断をするということです。これは、現在ストレステスト(耐性試験)実施中の福井県大飯原発の再稼働を念頭に置いての発言であります。 
 
 ストレステストは八百長
 
 そもそもこのストレステストなるものが、インチキな八百長なのです。
 ストレステストを実施するのは誰かというと、電力会社自身です。それを審査するのが原子力安全・保安院、さらにそれを確認するのが原子力安全委員会ということになってる。しかし保安院も安全委員会も国策としての原発推進派ですよ。いわばピッチャーとアンパイアがグルになっているようなものです。
 しかし今回はどういうわけか、安全委員会の班目委員長が「保安院の第一次審査だけでは不十分」と発言した。これを聞けば、恐らく地元の知事も再稼働反対でしょう。
 それなのに、政治判断で「再稼働する」という野田首相の発言は、とんでもないことです。
 
 事故原因は地震か津波か
 
 まして、福島原発事故の原因は地震なのか、津波なのか。この最も重大なことがまだ究明されていないのです。いま事故調査委員会が、国会と政府にそれぞれ設置されて調査中です。
 ことに国会の事故調のメンバーには、地震学の権威の石橋克彦・神戸大学名誉教授と、福島第一原発四号機の原子炉圧力容器・主任設計者であった田中三彦氏の二人が加わっているので、私は期待している。
 二人はともに「地震原因説」を前々から発表しております。ことに田中三彦氏は岩波の月刊誌「世界」および「科学」の誌上に数度にわたって論文を発表し立証しているが、保安院も東電もこれに全く反論してない。反論ができないのです。
 この国会事故調の最終報告は六月に予定されている。野田首相はなぜそれまで待てないのか。もし原発事故の原因が地震であることが判明したら、津波原因説に基づく今のストレステストなどは全く無意味になるではないか。
 
 もし破局的事故が起きたらどうする
 
 地震で壊われるような原発を次々と再稼働させて、これから起きる巨大地震の連発をいったいどうするのか。
 もし第二・第三の原発事故が起きたら、いや浜岡・若狭湾で破局的事故が起きたら、いや六ヶ所村再処理工場が爆発したら、そのとき日本が終わってしまうではないか。
 にもかかわらず、なし崩し的に原発を再稼働せんとするこの無責任さよ。このような者に、国政を預かる資格はないと私は思っております。
 
 左翼と保守
 
 さて、原発の賛否については、昔から共産党・社会党などの左翼は反対、保守派は賛成、というふうに分かれておりました。
 左翼政党が「反原発」を唱えているのは、反米路線の一環ですよ。反米・反核、そしてその延長線上に「反原発」がある。まさに反米闘争に軸足を置いての「反原発」ですね。それでいて「即時全廃」とはいわない。自然エネルギーに転換するまでの一〇年・二〇年はやむを得ないとしている。労組との関係があるのかもしれないが、いかにも中途半端です。
 一方、保守派は、この左翼の「反原発」に対抗して昔から「原発推進」です。しかし福島事故が起きたのちも、保守派言論人のりーダー格の人々の論文を見るに、原発の危険を敢えて無視する偏見に満ち満ちている。恐らくこの偏見は、「核燃料サイクル」から生ずるプルトニウムで核武装する幻想を懐いているゆえと思われる。
 
 日蓮大聖人の弟子として
  
 顕正会の原発全廃の戦いは、このような薄っぺらな政治運動ではない。日蓮大聖人の弟子としてこれを推進しているのです。
 その思いはただ偏に原発の放射能によって日本民族の滅ぶることを憂えるにある。 さらにその奥にあるもっと深い思いは日蓮大聖人の本国土、この麗しき日本を汚染させてなるものか。御本仏の戒壇建立の重大な御化導を障礙させてなるものか。との仏弟子としての大道念より出ずる思いであります。
 だから、諸天の働きにより、不可能と思われることも必ず成るのであります。
 
 自治体首長と地方議会の動き
 
 見てごらんなさい。政治家を巻き込んだ原発利益共同体がどれほど強力であろうとも、不思議にも最近、全国自治体の首長や地方議会が、相次いで立ち上がる気運が出て来たでしょう。
 たとえば福井県。一三基の原子炉と、プルトニウム一・四トンを内蔵する高速増殖炉「もんじゆ」を抱える福井県では、西川一誠知事が「再稼働反対」の声を次のごとく上げている。「国が指示した緊急安全対策は、津波の想定に偏っている。福島第一原発の事故原因は、地震による可能性も指摘されているのにその検証はなく、耐震対策が盛り込まれていない。・・・県民の安全確保と電力需給は別の話だ。本当に供給がたいへんなら、天然ガス発電への切り換えなど、事業者が検討したらいい」と。
 ガス・コンパインドサイクルに言及していること、注目すべきですね。
 続いて福井県小浜市の市議会も「原発からの脱却を求める意見書」を全会一致で可決した。小浜市は大飯原発から一〇キロ圏内に「住民の半分」が住んでいるのです。
 柏崎刈羽原発を抱える新潟県の泉田裕彦知事も、経産省の松下忠洋副大臣と面会して、ストレステストの安全評価について「やったから安全だとは評価できない」と伝え、「再稼働反対」を表明している。
 静岡県でも浜岡原発に対して、湖西市の三上元市長が静岡県の市長会で「浜岡原発を止めよ」と発言して再稼働反対の口火を切った。三上市長はこれまでも「原発こそ地球破壊の元凶だ。市民の生命と財産を守るのが市長の役割だ」等と発言している。
 かくて静岡県内の吉田町、下田市、焼津市の首長も浜岡原発の「廃炉」を求め、さらに市町議会では、伊豆市、東伊豆町、松崎町、伊豆の国市、吉田町、富士市、南伊豆町、三島市で「廃炉」を求める議決がなされ、浜岡原発立地の御前崎に隣接する牧之原市議会も本会議で「浜岡原発の永久停止」の決議案を賛成多数で可決している。
 また川勝平太・静岡県知事も「原発再稼働は論外である」と言い切っている。
 さらに福島県議会には「福島第一原発と第二原発のすべての原発一○基の廃炉を求める請願」が提出され、圧倒的多数でこの廃炉請願が採択されている。
 これを受けて、それまで原発推進のりーダーとして批判されてきた佐藤雄平・福島県知事も、記者会見で「福島県内の一〇基すべての原発廃炉を復興計画に明記する」と発表した。
 また滋賀県の嘉田由紀子知事も、山形県の吉村美栄子知事と連携して「原発脱却」の強い発言を続けている。
 さらに茨城県東海村の村上達也村長は、原発事故担当大臣の細野豪志に対して「東海第二原発の廃炉要望書」を手渡しております。
 このように、相次いで全国の自治体の首長や議会で「原発反対」の火の手が上がってきたのも、私は諸天の働きだと思っております。
 顕正会がいま真剣に仏弟子として「原発全廃」に戦うゆえに、諸天が動き、このような原発廃止の気運が、全国に上がって来ているのであります。 
 
 大聖人に通ずる祈りは必ず叶う
 
 諸天は大聖人様の申し付けによって動く。だから大聖人様に通ずる祈りは必ず叶うのです。
 正本堂崩壊の大現証を見てごらんなさい。八百万学会と、絶対権威の宗門が心を合わせて建て、「末法万年までの大殿堂」といわれた正本堂が崩れ去るなど、誰人に予想できたであろうか。だが凡夫の思慮を絶して、偽戒壇は音を立てて崩れ去ったではないか。
 顕正会の弘通の熱誠、大聖人様に達するのとき、原発は必ずすべて廃炉となる。
 さあ、一五〇万顕正会の異体同心を以て、何としても大聖人様に応え奉ろうではありませんか。以上。(大拍手) 
 
 

ゲスト 4人 と メンバー0人 がオンラインです