Blue Flower

  原発は日本を滅ぼす、即時全廃せよ

    人のDNAを破壊、国土を住居不能にする

    代替は天然ガス・コンバインドサイクルで十分

    惨禍もたらすを知って推進するのは犯罪

 
 これから日本はどうなるか
 
 本年は「大罰の時代」の第二年であります。いよいよ日蓮大聖人の弟子として、日本を救う戦いを敢然と起こしていきたい。
 これから日本はどうなっていくのであろうか。これを仏法の眼で見れば 今後、巨大地震が連発し、それに誘発される原発放射能災害、そして異常気象、国家破産等の種々の災禍ののち、ついに恐るべき他国侵逼が日本を襲う――。これが広布前夜の大罰の時代の姿であります。
 
 災難の起こる原理
 
 しかし日本の人々は、このような災難がなぜ起こるのかを、誰も知らない。大聖人は立正安国論に災難の起こる原理を、次のごとくお示し下されている。
 「世皆正に背き、人悉く悪に帰す。故に善神国を捨てて相去り、聖人所を辞して還らず。是を以て魔来たり鬼来たり、災起こり難起こる」と。
 すなわち、一国が正しい仏法に背くゆえに、国土を守護する諸天善神はその国を捨て去る。すると国土を破壊する魔や鬼が乱入し、ここに災難が並び起こるのである――と。
 末法において成仏の大法は、日蓮大聖人ご弘通の三大秘法以外にはない。
 しかるに当時の日本国は、邪法の僧等の讒言を信じて、大慈大悲の御本仏・日蓮大聖人を迫害し、二度も流罪し、御頸まで刎ね奉らんとした。その大罰は大蒙古の責めとなって現われたが、その後、今に至るまで日本は背き続けている。これまさに「世皆正に背く」に当る。
 
 加えて、一国を諌めるべき正系門家・日蓮正宗は、信徒団体・創価学会の会長(当時)・池田大作にへつらって、彼が「選挙の不利になる」として否定した「国立戒壇」を宗門として抛ち、偽戒壇・正本堂を大石寺境内に建ててしまった。
 実は「国立戒壇」の建立こそ日蓮大聖人の唯一の御遺命なのである。これを抛ったことは、まさに仏法の壊乱に当る。
 ここに諸天はこの国を捨て去った。替わって魔および鬼が国土に乱入して、現在の「大罰の時代」となっているのであります。
 
 狭い日本列島に原発54基が林立
 
 見てごらんなさい。学会・宗門が偽戒壇・正本堂を建てたのが昭和四七年(一九七二年)であった。その二年後、時の総理・田中角栄は、原発の立地自治体に交付金を支給する等の、いわゆる「電源三法」を成立させた。以来、原発がこの狭い日本列島に五四基も林立してしまったのであります。
 この原発は、制御システムが壊われれば人間の手には負えなくなる。そして放射能という猛毒を吐き続けて日本を亡ぼす力を持つ。このさまは、あたかも「魔物」であります。地震を引き金として、原発が魔物に変身するのです。まさに「魔来たり鬼来たり」との仰せ、実感であります。
 
 日本を救う戦いを
 
 日本を救うには、日蓮大聖人の仏法を立てる以外にはない。国立戒壇を建立する以外にはない。
 だが正系門家において、学会も宗門もすでに御遺命に背いてしまった。いま日本国において、日蓮大聖人の仰せのままに三大秘法を弘めているのは、一五〇万顕正会しかない。
 日本の運命は、まさに顕正会にかかっているのであります。さあ、大罰の時代・第二年の戦いを敢然と進めたい。その初陣は、二月・三月・四月の三ヶ月法戦といたします。
 
 四月に全基停止
 
 不思議にも、この初陣に符節を合わせるように、日本の原発五四基が、四月末を以て、すべて運転停止となる。
 どうしてこうなったかというと――原発には一三ヶ月に一回、運転を停止して定期検査をしなければならぬという定めがある。この検査が済めば再び運転するが、福島原発事故により再稼働には新たなテストが必要になった。よっていま次々と停止したままになっているのです。
 本日現在、稼働している原発は五四基中わずか五基。この五基も二月・三月・四月と相次いで定期検査に入り、四月末にはすべての原発が停止となる。
 
 本年こそ分岐点
 
 このような事態は日本の原発史上、初めてのことです。
 この全基停止が、今後、全基廃炉へと向かうのか。あるいは政府の目論見のままに再稼働して、日本が破滅の道を辿るのか。まさに本年こそ、その分岐点であります。諸天の守護により、何としても原発は全廃させなければいけない。
 日蓮大聖人の仏国土・麗しきこの日本を、断じて汚染させてはならない。
 すべては顕正会の前進にかかっているのです。さあ、敢然と立ち、三大秘法弘通の功徳を以て、このことを成し遂げたい。こう私は決意しておりますが、みなさん、どうでしょうか。(大拍手)
 
 原発はいかに危険で恐ろしいか
 
 きょうは、原発がいかに危険で恐ろしいものであるかを、改めて話したいと思っております。一言でいえば、放射能は人間のDNAを破壊し、国土を居住不能にしてしまうということです。
 それだけではない。使用済み核燃料や放射性廃棄物は処理不能で、ガラス固化して地中深く埋めて百万年も管理しなければならない。しかしガラス固化の技術は未だ確立されず、廃棄物の処分場もまだ決まってない。原発が「トイレなきマンション」と言われるのはこのゆえです。
 
 人のDNAを破壊
 
 放射能は目に見えない、匂いもしない、味もない、われわれの五感には感じられない。しかしこの放射能が、人間のDNAを破壊する。DNAというのは遺伝情報を司るところですよ。
 人間の身体は、父親からの精子と母親からの卵子が合体してできた一つの細胞から始まる。この一個の細胞が分裂して二個となり、四つとなり、八つとなり、十六となる。このように次々と細胞分裂を繰り返して、われわれの五体が作られるのであります。
 一人の人間には六〇兆個もの細胞がある。そしてその一つ一つに核という部分がある。その核の中に、父親から得た染色体と母親から得た染色体が鎖状で繋がっている。これがDNAです。この二本のDNAの鎖は、二重らせん構造にねじれながら梯子状に繋がれている。ここに遺伝情報があるのです。この遺伝情報は、個体が生きていく上にも、子孫を残す上にも必要不可欠です。
 この遺伝情報が複製されるその姿は神秘的です。細胞分裂のとき、二本のDNAの鎖がスーッと分かれていく。そして片方の鎖がもう片方を正確に複製し、新旧が対になって元と同じ配列に繋がっていくのです。この不思議・微妙の作業は、どんな精密機械でも化学工場でもなし得ない。まさに生命に具わる天然法爾(ほうに)の神秘であります。
 ところが放射線は、このDNAを切断してしまうのです。ですから放射能に被曝するということは、この遺伝情報が切断され、遺伝子異常を引き起こしてしまうということです。
 
 細胞が再生されず子孫にも影響
 
 そうなれば、個体では細胞が再生されないから急性障害で死亡したり、あるいは五年のち、一〇年のち、二〇年のちに、ガンや白血病が発症する晩発性障害が出てくる。また子孫にも正確な遺伝情報が伝わらないという重大な障害が起きてくる。
 事実、チェルノブイリでは事故数年後から、人間の赤ちゃんも含めて、奇形の牛や馬が多く生まれているのです。このように放射能は、生命活動の司令塔・根幹ともいえるDNAを破壊する。だから恐ろしいのであります。
 
 人間の体が壊われる
 
 急性障害の実例は、平成一一年に、茨城県東海村の核燃料加工工場における「臨界事故」で起きております。
 このとき、近隣住民の約七百人が被曝し、中でも現場で作業していた大内さん・篠原さんの二人は大量被曝し、数十日にわたる物凄い苦しみの果てに死んでおります。二人は病院に担ぎ込まれたときには外傷もなく元気だった。看護師とおしゃべりするほど元気だった。ところが、やがて皮膚も、内臓も、胃も、腸も、焼けただれたようになった。これは細胞が再生できず、人間の身体が壊われていった姿なのです。被曝四日目に採取された大内さんの骨髄細胞の顕微鏡写真には、本来あるべきはずの染色体がなく、バラバラに切断されて散らばった黒い物質だけが写っていた。
 死後、解剖に立ち会った医師は、メスを入れたとき「ザザッ、ザザッ」という、未だ聞いたことのない音を間いたという。まことに痛ましい限りであります。
 
 外部被曝と内部被曝
 
 放射線の被曝には、外部被曝と内部被曝があります。身体の外から放射線を受けるのが外部被曝です。 
 内部被曝というのは、放射性物質が呼吸あるいは食事を通して身体の中に入り、体内から直接、放射線被曝を受けることです。体内に入った放射性物質が細胞組織に付着すれば、その放射能でDNAが破壊され、細胞が癌化し増殖していくのです。
 
 「しきい値」はない
 
 では、低線量被曝なら問題はないのか。福島事故発生当時、政府やマスコミはしきりと「ただちに健康に影響を及ぼす量ではありません」「ただちに避難の必要はありません」と繰り返してきましたね。
 これは無責任な政治的発言にすぎません。この「ただちに」というのは「急性障害は起きない」というだけの意味で、五年・一〇年・二〇年のちに、ガンや白血病が出る晩発性障害の可能性はあるということです。
 ということは、被曝とは遺伝情報を傷つけることなのだから、わずかでもDNAに傷がつけば、その傷が細胞分裂で増やされていく。よって「全く影響がない」などとは絶対に言えないのです。
 アメリカ科学アカデミーの中に、放射線の影響を検討する委員会「BEIR」があるが、この委員会は長期にわたる検討の結果として「被曝のリスクは低線量にいたるまで直線的に存在し続け、しきい値はない。最小限の被曝であっても、人類に対して危険を及ぼす可能性がある」と結論づけている。「しきい値」とは「この量以下の被曝なら安全」という数値です。つまり低線量被曝でも害はあるということです。
 
 放出中の放射性物質の核種
 
 福島第一原発が現在放出している放射性物質の主たる核種は、ヨウ素、セシウム、ストロンチウム、プルトニウム等です。これらが空に、海に、大地に、撒き散らされているのであります。
 これらの放射性物質が人体をどのように傷つけるかというと――
 
 「ヨウ素131」
 
 「ヨウ素131」は体内に取り込まれると甲状腺に蓄積され、そこで放射能を出して甲状腺ガンを引き起こす。ことに幼児や子供に与える被害はきわめて深刻です。 
 福島事故発生の五ヶ月後、政府は福島県内の○歳から一五歳までの子供を対象にした甲状腺被曝の検査結果を発表した。それによると、なんと四五%の子供から、放射性ヨウ素による被曝が確認されたということでした。
 この事実は、三月下旬にわかっていたにもかかわらず、東電は五ヶ月間も放置していたのです。東電幹部は「それほど重大なこととは認識していなかった」などと言っていたが、まことに無責任の極みです。
 チェルノブイリの例を見れば、四年後には小児甲状腺ガンが急増するかもしれない。
 
 「セシウム137」
 
 「セシウム137」は、人間の体内に取り込まれると全身の筋肉・生殖器などに蓄積され、ガンや遺伝子障害の原因となる。これは半減期が三〇年と長いので、長期間、土壌や海底の泥にとどまり、農作物や魚介類を汚染する。
 昨日の新聞にも出ておりましたが、セシウム137の放出量は減ることなく、増加しつつあるということです。
 
 「ストロンチウム90」
 
 またストロンチウム90は、セシウム137と同じように半減期が二九年と長く、骨に蓄積して骨のガンや白血病を引き起こす。
 
 「プルトニウム239」
 
 そしてプルトニウム239ですが、これは「人類が遭遇した最凶の毒物」といわれており、その毒性は青酸カリさえ遠く及ばない。そのうえ半減期が二万四千年と極めて長いので、恐れられているのです。ところが東大の一御用学者は「プルトニウムは飲んでも大丈夫」と放言した。これを聞いて、あの児玉龍彦教授が怒ってましたね。
 以上のような猛毒の放射性物質が広範囲に、そして長期間にわたって、日本の国土を汚染し続けていくのであります。
 
 爆発事故の三種
 
 次に、原発の爆発事故の種類について説明します。爆発には次の三種がある。
 (1)には核暴走爆発。これは核分裂反応の制御に失敗して、超臨界となって起こる爆発です。
 (2)には水素爆発。これは福島第一原発で発生したものです。
 (3)には水蒸気爆発。この水蒸気爆発が、最大の破壊力を持つ爆発です。
 
 福島は水素爆発
 
 で、福島では水素爆発だけで済んだ。それでも事故直後、菅直人首相が近藤敬介・原子力委員長に作成させた「最悪のシナリオ」によれば、「半径二五〇キロの地域が避難必要」ということだった。半径二五〇キロというと、埼玉・東京までがすっぽり入ってしまうのです。
 これを見て菅首相は「首都圏の三千万人が避難となったら、日本は潰滅してしまうではないか」「思わず背筋が凍った」と後に述べていた。
 
 水蒸気爆発の一歩手前
 
 放射線計測を専門とし、原発事故研究の第一人者である京都大学原子炉実験所の小出裕章助教は、著書「原発のウソ」の中で、福島原発事故について次のように述べています。
 「私が想定してきた最悪のシナリオは水蒸気爆発です。もしどこか一つの原子炉で水蒸気爆発が起これば、原発敷地内の放射線量は致死量を超えるから、作業員は退避せざるをえなくなる。当然、全ての原子炉や使用済み燃料プールの冷却作業は続行できない。ここに至ればあとは連鎖的にメルトダウンが起こり、歴史上経験したことのない大惨事に突き進んでいくだけです。……首都圏はおそららく壊滅してしまうでしょう」と。
 しかし幸いにもこの水蒸気爆発は起きなかった。このことについて小出助教は「非常に運が良かったと思います」と記しておりますが、他の二・三の専門学者も同様の見解を述べております。
 私は「最悪の事態の一歩手前で止まったのは、偏に諸天の守護である」と思っております。もし水蒸気爆発が起きていたら、福島県はもちろん首都圏も潰滅していた。それを免れたこと、まさに諸天の守護なのであります。
 
 日本で最も危険な浜岡・若狭・六ヶ所村
 
 ここで、日本で最も危ないといわれる静岡県の浜岡、福井県の若狭、青森県の六ヶ所村について少し説明しておきます。
 
 浜岡原発
 
 浜岡原発は昨年五月、菅直人首相の要請によって運転停止となった。このことは、運転中に地震の直撃を受けるよりはずっと危険度が少なくなるから、結構なことではあった。
 しかし、核燃料棒を取り出して廃炉にしない限り、地震で冷却システムが壊われれば、燃料棒は空焚きになって、メルトダウンや水蒸気爆発を起こす危険性がまだ残っている。事実、福島第一原発では、四号機が定期点検で運転停止中であったが、地震で冷却システムが壊われたため、使用済み燃料貯蔵プールの冷却が困難になり、水素爆発を起こしているのです。
 このことは浜岡原発を含め、すべての原発に同じことが言えるのであります。
 
 死者二千五百万人
 
 もし浜岡原発が破局的事故を起こしたらどうなるか。小出助教のシミュレーションによれば「浜岡原発全体が破局的事故を起こした場合、放射線被曝による長期のガン死を含め、首都圏や静岡県などで約二五〇〇万人が死亡する可能性がある」と。 「二五〇〇万人」とはたいへんなことです。このこと、小出助教は「原発と放射能」(二〇一一年九月刊)に明記しております。
 
 若狭湾の原発銀座
 
 次に、福井県若狭湾の海岸線には、高速増殖炉「もんじゅ」を含めて一四基の原発が林立して「原発銀座」と呼ばれている。一つの地域にこれだけ多くの原発が集中しているのは、全国でここしかないのです。
 しかも若狭湾一帯には無数の活断層群が存在している。中でも「柳ケ瀬・関ヶ原断層帯」は全長一〇〇キロにも及ぶ巨大活断層で、ここで地震が発生すればマグニチュード八クラスといわれている。
 地震学の権威といわれる石橋克彦・神戸大学名誉教授は平成二三年五月二三日の国会委員会において「若狭湾一帯が非常に危険であることは、もう間違いありません」と述べている。
 
 京都、大阪、名古屋、東京潰滅状態に
 
 もし若狭湾をこのような巨大地震が直撃したら、京都、大阪、名古屋、東京が潰滅状態になるだけでなく、日本の中央部すべてが避難区域に指定される。近畿、中京、首都圏が人の住めない地域になったら、日本はいったいどうなってしまうであろうか。その悲惨と混乱は想像を絶する。
 
 六ヶ所村再処理工場
 
 さらに青森県六ヶ所村にある核燃料再処理工場。これは原発ではないが、日本で最も危険なプラントです。
 この再処理工場は、全国の原発から運び込まれてくる使用済み核燃料からプルトニウムとウランを取り出し、再び原発の燃料として使用することをめざすもので、ウラン資源が乏しい日本においては、この「核燃料サイクル」は、高速増殖炉やプルサーマルとともに、国策として推進されてきたものです。
 しかしこの「核燃料サイクル事業」は、進めれば進めるほど行き詰まり、危険度を増し、どうにもならなくなっているのが現状です。
 
 高速増殖炉「もんじゅ」
 
 たとえば高速増殖炉「もんじゅ」―。高速増殖炉というのは、再処理工場で回収されたプルトニウムを燃料として発電し、さらにプルトニウムを大量に生産しようとする特殊な原子炉です。これは運転で消費した燃料よりも多くの燃料(プルトニウム)が得られるという、魔法のような原子炉である、と思われていた。
 この「もんじゅ」が福井県敦賀市に建設され臨界に成功したのが一九九四年です。しかしその翌年、試験運転をしようとしたとたん、事故が発生した。以来一四年半も停止したままになった。そして一昨年、再び試験運転を始めたところ、またもや事故を起こして停止し、今日にいたっているのです。実現化のメドは未だ全く立っていない。このように「もんじゅ」はいま暗礁に乗り上げているが、もし地震が起きて配管が破断したら、すぐ破局が到来するという危険な原子炉です。
 ということは、「もんじゅ」は原子炉を冷却するのにナトリウムを使っている。ナトリウムは水に触れると爆発する化学的性質を持っている。だから、福島事故と同じようには水をかけられない。そこで何の対処もできぬまま破局を迎え、プルトニウムを撒き散らすということになるのです。
 
 プルサーマル
 
 高速増殖炉による「核燃料サイクル計画」が破綻すれば、六ヶ所再処理工場で取り出すプルトニウムはその目的を失う。そこで政府はこのプルトニウムをプルサーマルで使用することを決め、九州の玄海3号、四国の伊方3号、福島第一の3号、関西の高浜3号で実施させることにした。
 プルサーマルというのは、「MOX燃料」といって、ウランとプルトニウムを混合した燃料を、普通の原子炉で使用する。だから原発の危険性は飛躍的に増大するのです。
 この危険性を小出助教は「灯油ストーブでガソリンを燃やそうとする行為に似ている」と表現しているが、ウランの二〇万倍も毒性が強いプルトニウムを燃料に利用すること自体が、まさに犯罪的行為なのであります。
 
 全国の使用済み核燃料が
 
 さて、話を六ヶ所再処理工場に戻します。この再処理工場には、一九九八年以来、一三年間にわたって全国の原発五四基から使用済み核燃料が運び込まれ、その量はすでにウラン換算重量で二千八二七トンという、とてつもない量になっている。
 そして前に述べたように、ここで使用済み燃料を化学処理してプルトニウムとウランを取り出し、新しい燃料として使えるようにするのです。
 この「再処理」は二〇〇六年から開始されたが、技術的に未熟なまま再処理に踏み切ってしまったので、再処理のときに発生する高レベル放射性廃液に、ガラス粉末をまぜて固化体にするという段階で、溶融炉のノズルに白金族が詰まってしまった。
 このとき事業会社の日本原燃は、攪拌(かくはん)棒をノズルの穴に突っこみ、抜けなくなるというとんでもない大事故を起こしてしまったのです。かくて作業は壁にぶち当り、完全に行き詰まった。これが二〇〇八年一○月のことです。
 
 高レベル放射性廃液
 
 その結果、固化することのできない高レベル放射性廃液が、そのまま二四〇立方メートルもたまってしまった。この廃液が問題なのです。
 この廃液は強い放射線を出して水を分解し、水素を発生させる。よって絶えず冷却して完璧に管理を行わないと爆発して、プルトニウムを大量に放出するという、きわめて危険な液体なのです。
 
 全廃液が漏れたら!
 
 この廃液が一立方メートル漏れただけでも、東北地方と北海道南部の住民は避難しなければならなくなる。いわんや、すでに溜まっている二四〇立方メートルの廃液が漏れたら、日本全土が大惨事になってしまう。
 原発問題の専門家である広瀬隆氏は、この大惨事について、一九七六年に西ドイツのケルン原子炉安全研究所が内務省に提出した秘密報告書「再処理工場の大事故に関する解析」を引用している。その報告書には「万一冷却装置が完全に停止すると、爆発によって工場の周囲一〇〇キロメートルの範囲で、全住民が致死量の一〇倍から二〇〇倍の放射能を浴びて即死し、最終的な死亡者の数は、西ドイツ全人口の半分に達する可能性がある」と記されている。
 慄然とする内容ですね。広瀬氏はこの報告書の内容に「震え上がった」と述べております。ドイツが「脱原発」に踏み切ったのも、メルケル首相にこれらの知見があったゆえと思われる。
 
 地震に弱い再処理工場
 
 もし六ヶ所再処理工場が巨大地震に襲われたら、どうなってしまうか。
 この再処理工場は、同じく下北半島にある大間原発・東通原発とともに、耐震基準は全国原発の中でも最低の四五〇ガル(加速度を表わす値)ですよ。
 ちなみに、二〇〇四年の新潟県中越地震が二千五一五ガル、二〇〇七年の同中越沖地震が二千〇五八ガル、二〇〇八年の宮城内陸地震は四千〇二二ガルですよ。しかるに六ヶ所の耐震基準を四五〇ガルにしたというのは言語道断です。すぐ耐震工事をすべきであるが、今となっては放射能で汚染されているから近づけない、耐震工事ができないのです。
 ということは、六ヶ所再処理工場には、長い配管がとぐろを巻いている。その長さは青森から下関ぐらいまでの距離に匹敵するという。その中を超高濃度の放射性廃液が流れているんですが、その配管の中で、前述のごとく二〇〇八年一〇月の事故を起こし汚染をやってしまったからです。プルトニウムの汚染だから人間が近づけない。かくていま、完全に行き詰まった状態になっているのです。
 
 工場直下に活断層
 
 そして二〇〇八年五月、この六ヶ所再処理工場の直下に、これまで発見されなかった長さ一五キロメートル以上の活断層があることが、東洋大学の渡辺満久教授、広島工業大学の中田高教授、名古屋大学の鈴木康弘教授の研究グループによって判明した。これが「六ヶ所断層」です。
 再処理工場の東側沿岸には、八四キロに及ぶ大陸棚外縁断層(海底断層)が走っていることはすでに知られていたが、新発見の六ヶ所断層はこの海底断層とつながって、再処理工場の敷地直下に及んでいるのです。二つの断層を合わせた全長は約一〇〇キロメートルに達し、これが動けばマグニチュード八超の巨大地震になるといわれている。
 
 通産省は知っていた
 
 再処理工場直下に、二本に分かれている六ヶ所断層があることは、実は一九八八年に、当時、通産省の工業技術院・地質調査所技官で地震地質課長であった衣笠善博がすでに知っていた。しかし彼はこれを隠し、事業者の日本原燃に工事を進めさせたのです。
 石橋克彦・神戸大学名誉教授は、柏崎刈羽原発についても政府主導の「耐震偽装」があったとして「性懲りもない政府の『活断層隠し』と、それを容認する技術委の結論は撤回すべき」(毎日新聞、二〇〇九元年三月二九日付)と憤っているが、ここ六ヶ所でも同様のことが行われていたのです。
 彼等には住民の安全などは眼中にない。これが原発利益共同体の実態なのであります。
 
 日本全土が潰滅
 
 もしこの再処理工場が大地震によって電源喪失したり、核燃料貯蔵プールが損傷したりして爆発したら、原発を百基まとめてドカンと爆発させたような、想像を絶する大惨事となる。このときは「青森県だけが・・・」などというものではない、日本が終わってしまうのであります。
 石橋克彦・名誉教授は昨年一一月二九日、日本記者クラブの講演でこう述べております。
 「私はこれまで、浜岡が危ない、若狭湾が危ないと言ってきましたが、いちばん怖いのは下北半島かもしれない。だから早く六ヶ所の再処理工場はやめてほしい。万一、事故が起きたときには福島の比ではない。とにかく我々は、物凄い危ない綱渡りをしているのです」と。
 このように原発は、ひとたび地震によって事故を起こせば、日本を亡ぼしてしまうのであります。
 
 54基すべてが耐震強度不足 
 
 浜岡、若狭、六ヶ所村だけではない。北は北海道の泊原発から、南は九州・佐賀の玄海原発や鹿児島の川内原発に至るまで、すべての原発のすぐ近くには活断層があって、そのうえ耐震強度が不足しているのです。
 日本の原発は耐震性があまり考慮されていない。なぜかというと、これを本格的にやるとカネばかりかかってしょうがない。そこで電力会社はお抱えの御用学者にデタラメな数値をいわせ、それを基準にする。責任は御用学者に負わせればいいと思っている。よって日本の原発の耐震性は低くなっているのです。
 
 原発は壊われるようにできている
 
 これではいけないということで、国はようやく二〇〇六年に「改訂新指針」を決定した。しかしこの新指針もいい加減なものであった。だから審議委員であった石橋克彦・名誉教授は「これでは国民に対する責任が果せない」といって、会議の途中で席を立ち、委員を辞任している。
 結論すれば、日本の原発五四基は、すべてが大地震で壊われるようにできている。そして壊われれば、猛毒を吐き続ける「魔物」に変身してしまうのです。こんな危険なものを、国も電力会社も「絶対安全」といって、これまで数十年間、国民を騙してきたのであります。
 
 国と電力会社こそ危険を知っている
 
 しかし原発が危険極まりないことは、誰よりも、国と電力会社がいちばんよく知っているのです。
 だから論より証拠。原発は必ず人里離れた僻地に建てられているでしょ。決して大都会には建てられてない。これは国がそう規定しているからです。すなわち「原子炉から一定の範囲は非居住地域であること」等の三ヶ条を国が決めている。だから東電は、福島の過疎地に原発を建て、その電気を東京に送っているというわけです。また原発の地元にカネをばら撒くのも、「やらせ」をするのも、危険を知っていればこその「騙し」ではないか。
 このように原発の限りない危険は、国と電力会社と御用学者こそよくよく知っている。知りながらこれを推進する者たちは、まさしく「未必の故意」に当る。これは犯罪行為であり、国賊であると私は思っております。「未必の故意」というのは過失とは違う。起こり得る危険性を知りながら、あえてその危険をおかして行為し、その結果、大事故が起こるべくして起こった、ということです。
 
 「電力不足」はウソ
 
 また電力会社は「原発が止まると電力不足になる、停電になる」と言って国民を脅してきた。これも真っ赤なウソですよ。論より証拠。いま五四基すべてが止まろうとしているが、停電など起こらないではないか。
 どうしてか。電力会社が火力発電に切り換えているからです。火力発電で電力は充分間に合うことを知っていながら、莫大なカネをかけて作った原発をフル稼働させるため、「もし止まったらば停電が起こる、電力不足が起こる」とウソをらき通してきたのです。
 
 ガス・コンバインドサイクル発電
 
 この火力発電の中でも、天然ガス使用のガス・コンバインドサイクル発電が最も優れている。この方式は、従来の火力発電よりも発電効率が五割もアップし、建設費は約四分の一、工期は一年以内、出力調整も容易、そして危険な放射能は全く出さない、CO2等の有害排出物も極めて少ない――という優れ物です。だから大都会の真ん中にも建設することができるのです。こんなことは私が言うまでもない。電力会社ならみな知っている。だから彼らは黙って、今どんどんガス・コンバインドサイクル発電を取り入れているではないか。
 現在、全国の電力会社が保有しているコンパインドサイクルの施設は、稼働中と建設中を合わせれば、実に六九基にものぼっているのです。だが新聞もテレビもこれを報道しないから、国民はこの事実をしらない。すでにガス・コンパインドサイクルは六九基ですよ。このうち東電は一五基。その内訳は千葉市中央区蘇我町等に九ヶ所、東京の品川に一ヶ所、川崎市に三ヶ所、横浜市に二ヶ所。どうです、どれもこれも大都会のそばに建てているでしょう。
 これらがいま稼働しているからこそ、原発が止まっても停電しない、電力不足など起きないのであります。しかし電力会社はこの事実を隠している。「もう原発はいらない」と言われるのが怖いからです。だから「天然ガスには供給不安がある」とか「燃料費が高くつく」とかを、しきりに宣伝している。 
 
 供給不安はない
 
 しかし天然ガスに、供給不安などはないのです。天然ガスは「非在来型」のシエールガスの登場で、今や世界のエネルギー事情を一変させてしまった。その可採年数は、石油やウランをはるかに超え、四百年にも及ぶといわれている。しかも政情不安の中東地域ではなく、アメリカ、オーストラリア、カナダ等から大量に採掘できるようになっているのです。
 ガスエネルギー新聞(1月18日付)によれば、「アメリカでは天然ガスの価格下落が続き、この一年で四割も値下がりした。しかしまだ底打ち感はない。背景には、シェールガス増産による供給過剰があるからだ」という。きょうの日経新聞にも、米エネルギー省の年次エネルギー見通しとして「米国は二〇一六年に液化天然ガス(LNG)の純輸出国になる。これは地中の岩盤層に含まれるシェールガスと呼ばれる天然ガスの生産増などが背景にある」と報じている。アメリカが輸出するこのシェールガスは、やがて日本にも入ってくる。ロシアも過剰の天然ガスを日本に輸出したがっている。
 さらに日本企業も、大型ガス田の自主開発に本格始動を開始している。国際石油開発帝石は一月一三日に、オーストラリア沖で二兆六千億円の巨費を投ずる液化天然ガス(LNG)の開発・生産を決めている。このような動きは、日本の総合商社も一斉に進めております。
 「燃料費が高い」についていえば、電力会社は福島事故以後、慌ててスポット市場で言値で買っている。こんな高値づかみを基準にしてはいけない。今や世界のエネルギー事情の趨勢は、シェールガスの登場により一変しているのです。天然ガスは供給も、価格も、安定に向っているのであります。 
 
 即時全廃は可能
 
 この天然ガス使用のコンバインド発電施設を設ければ、原発など直ちに全廃できるのです。この道理は子供にもわかります。「脱原発」を掲げている者も、よく「原発はすぐには止められない。自然エネルギーに転換するまでは」などという。
 これもまやかしですよ。こんな悠長な空論を言ってはいけない。それまでの一〇年、二〇年はどうなる。地震は待ってくれないではないか。
 
 原発は「お湯わかし」
 
 そもそも原発などというものは、その本質は単なる「お湯わかし」の機械にすぎないのです。ウランを核分裂させた熱で水を沸騰させ、その蒸気でタービンを回わして発電をする、というだけのものです。一方、火力発電は、天然ガス・石油・石炭等を燃やして水を沸騰させて発電する。
 つまり燃料にウランを用いるか、天然ガス等を使うかの違いだけなのです。「お湯わかし」に、放射能を発生する危険きわまる原発、複雑きわまる配管を持つ機械など、どうして使う必要があるのか。 
 
 原発利益共同体 
 
 だが、この期に及んでも電力会社は「原発が止まれば電力不足が起こる」と見えすいたウソを臆面もなく繰り返す。また電力会社と財界の下請けのような政府も、「再稼働」に前のめりになっている。
 これは原発がなくなると、これまで注ぎ込んだ膨大なカネがムダになるし、莫大な原発利権が吹っ飛んでしまうからです。
 電力会社から関係業界に流れるカネは毎年約二兆円、さらに国からも年間約五千億円の予算がつけられている。この二兆五千億円もの巨額のカネが、政治家・産業界・官僚・学者・マスコミ等に流れ、強力な「原発利益共同体」を作っているのです。
 彼らは目先の利益に眼を奪われ、国家の滅亡を顧みない。その愚かしさ、狡さを思うとき、肚の底から憤りが込み上げてくる。 
 
 民族が亡び国家が滅亡 
 
 野田首相は、消費税増税については「不退転の決意」と言っている。やっと財政破綻の恐ろしさに気づいてきたのでしょうが、万一デフォルトが起ころうと、国家破産では国は亡びない。
 だが、第二・第三の原発事故が起きたら、日本民族が亡ぶ、国家が滅亡してしまうのです。事の重大さが違う、切迫度が違うのであります。 
 
 巨大地震は連発する 
 
 巨大地震の連発はもう足下に追っている。「3・11」の超巨大地震により、日本列島の地殻はバランスが崩れ、本格的な地震活動期に入っているのです。
 いま多くの地震学者あるいは公的研究機関が、近く起こるであろう巨大地震の予測を相次いで公表しております。 
 
 「3・11」の南・北・東で 
 
 それらによると、まず「3・11」の震源域の南に当る茨城沖と房総沖、また北に当る青森沖が危ないといわれている。これらはマグニチュード8クラスだという。
 また「3・11」の揺り戻しといわれる「アウターライズ地震」が、3・11震源域東方の日本海溝外側で発生するといわれている。これはマグニチュード9クラスであるが、震源が遠いので震度は大したことはないが大津波が来るという。
 
 首都圏直下 
 
 そして首都圏直下地震。これはかなり切迫しているようですね。きのう東京大学地震研究所が「今後、四年以内に七〇%の確率で発生する」との試算を発表しておりました。
 これまでの政府の発表では「三〇年以内に七〇%の確率」であった。それが「四年以内に七〇%」になったのです。もういつ起きてもおかしくない。これも「3・11」によって発生が早まったのであります。
 地球物理学者の濱嶌良吉氏は、南関東には日本最大の天然ガス田の「南関東ガス田」があり、大地震のとき、もしこのガスが噴出したら、巨大な火災旋風が起きるであろうと警告しております。 
 
 西日本超巨大地震 
 
 また東海・東南海・南海・日向灘地震が連動する西日本巨大地震。これは「マグニチュード9・2」という超巨大地震になると予想されている。
 そして日本海側では、若狭湾と柏崎刈羽原発直下の地震が、石橋名誉教授によって指摘されている。さらに内陸部では、いま続々と危険な活断層が発見されつつある。これまで日本列島の活断層は約二百と言われていたが、次々に新しい断層が発見され、最近では約二千とも言われている。
 よって、「日本列島のどこで巨大地震が起きても不思議はない」と、多くの学者は異口同音に述べております。これが大罰の時代にまず起こる、巨大地震の連発なのであります。
 
 仏国土を汚染させてなるか 
 
 これらの巨大地震が引き金となって、全国各地の原発が猛毒の放射能を吐き出すとき、日本民族のDNAは破壊され、国土は居住不能となる。だから私は「直ちに原発を全廃せよ」と叫んでいるのであります。
 日本の人々は、まだ原発がいかに恐ろしいかを知らない。これを広く知らしめ、根本の教いである日蓮大聖人の仏法を教えなければいけない。
 大聖人様は立正安国論御勘由来に「若し此の国土を毀壊せば、復仏法の破滅疑い無き者なり」と。また開目抄には 「我日本の柱とならむ、我日本の眼目とならむ、我日本の大船とならむ等と誓いし願やぶるべからず」と仰せあそばす。
 この大誓願を拝し奉れば、大聖人様は諸天に申し付け、必ずこの日本をお救い下さること断じて疑いない。
 ここに我ら顕正会員は仏弟子として 「日蓮大聖人の本国土、この麗しき日本を、断じて汚染させてなるものか」との決意に立たなくてはいけない。
 全顕正会員の弘通の熱誠大聖人様に達するのとき、諸天は必ず動く。そして原発は必ず全廃される。このこと、私は強く確信しております。
 さあ、一五〇万顕正会一結して「日本を救う新たな戦い」を巻き起こし、何としても大聖人様に応え奉ろうではありませんか。以上。(大拍手)
 
 
 

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