Blue Flower

 油断なき勤行で広宣流布を進めん

    広布最終段階亡国の大国難刻々と

    仏法を立てねばすべてが裏目に

 
 なんと熱烈なる総幹部会か――。純粋な信心、頂く大功徳、広宣流布への熱烈なる決意、初めから終わりまで感動の連続でありました。 
 この濁り切った日本国の中で、大聖人様の御心のままに戦う唯一の仏弟子の大集団なればこそと、思うばかりであります。
 

 真剣なる勤行に立て

 
 さて、いよいよ本年から六千万地涌出現を見つめ、日本を救う新しい広宣流布の大前進が始まる。
 この戦いを進めるに当って、改めて全員が、まず真剣なる勤行に立ってほしいと思っております。勤行こそ仏道修行の基本、そして広宣流布を進める原動力そのものであります。
 そうでしょ。そもそも広宣流布というのは、日本国中の人々に勤行せしむる大運勤なのであるから、これを進める私たちこそ、何よりもまず油断なき勤行に立たなければいけない。ゆえに「我もいたし、人をも教化候へ」と仰せ下さるのであります。
 
 御本尊は生身の御仏
 
 勤行というのは毎日、行ずるもの。だから油断をすれば惰性に流される。惰性に流されてはいけません。そのときそのとき、新しい信心を起こして御本尊様に向かわなければいけない。
 御本尊様は生身の御仏、生きてまします日蓮大聖人であられる。日寛上人は観心本尊抄文段において「安置し奉る処の御本尊の全体、本有無作の一念三千の生身の御仏なり。謹んで文字および木画と謂(おも)うこと勿(なか)れ」と。
 御本尊は大聖人様の御生命を文字を以て顕わされたものであれば、文字の全体が生身の御仏、生きてまします日蓮大聖人なのです。
 ゆえに勤行のたびに新しい信心、「有難い」「お慕わしい」の思いに立たなければいけない。寿量品には「恋慕渇仰」とあるでしょ。仏様を恋慕し奉る、この恋慕は成仏につながるのです。
 ですから私も勤行のたびごとに、主・師・親の大聖人様に「お慕わしい」の思いを以て、御宝前にぬかずいております。
 
 御名を呼び奉る
 
 この恋慕渇仰の心を以て、大聖人の御名を「南無妙法蓮華経」と呼び奉るのです。 「名は必ず体にいたる徳あり」と。名を唱え奉ることによって、その体であられる御本尊・日蓮大聖人に通じて、我ら凡夫が御本尊・日蓮大聖人と境智冥合して、凡夫が仏に成らせて頂けるのであります。
 いいですか。「お慕わしい」「有難い」の思いで大聖人様の御名を唱え奉るこの信心□唱こそ、勤行の肝心要ですよ。そして方便・寿量の両品読誦はこの助行なのであります。
 我が家より戒壇の大御本尊を遠く拝みまいらせる遥拝勤行も功徳は全く同じ。信心に距離は関係ない。「心こそ大切なれ」です。「大御本尊、眼前にまします」の思いを以て、全顕正会員、しっかりと遥拝勤行に励んで下さい。
 
 三唱のリズム整えん
 
 で、私は地方会館の御入仏式に行っていつも感ずるのです。「なんと一糸乱れざる、しっかりした勤行か」と。聞いていて嬉しくなります。これは、全顕正会員が、日ごろからしっかり家で勤行している証拠ですね。この一糸乱れざる勤行を聞くたびに「これで広宣流布が進む」という思いを、いつも私は懐いております。
 ただ一つ、気になることがある。それは、勤行の初めと終わりに全員でお題目を三唱しますね。そのときのお題目三唱が、長すぎるところが地域によってはあるのです。お題目三唱は、大勢で唱える時はどうしても長くなりがちですが、それはいい。ただ、限度を超えてはいけない。
 御入仏式において、方便品・寿量品は一糸乱れず、そしてお題目を繰り返し唱え奉るのも一糸乱れず。それが、最後の三唱になると、前の方のグループが三唱を終えたのに、一拍おいて後ろの方から「キョー」と聞こえてくることがある。
 どうしてこうなるのかというと、一唱を何回も切って、その一息ごとに長く伸ばすからです。具体的にいうと、「ナンミョウー」で切る、「ホー」で力いっぱい伸ばす。そして「レーン」となると(爆笑)、どうしても最後に一拍おくれて「キョー」だけが出てくる(大笑)。
 これは、「ていねいに」という思いからこうなったのでしょうが、今、新しい前進の時を迎えて、全国でリズムを合わせていきたい、呼吸を合わせていきたいのです。
 
 一唱を一息で
 
 いいですか、こう決めたい。お題目の三唱は、その一唱を一息で唱え奉る――これを原則とする。一唱を一息で唱え奉り、それを三回くり返すのが三唱なのであります。
 一息というのは、そうですねー、だいたい十秒から十数秒くらいでしょうかね。これくらいを基準として、信心で深ーく唱え奉っていくのです。
 日曜勤行における私の三唱、観念文のときの三唱ですが、これを管理室の者が計ったら、十八秒あったという(大笑)。なにもオリンピックではないから(爆笑)、長いのがいいわけではない。長くても短くても功徳に関係ないけれど、一息で唱え奉る基準として、十秒から十数秒かなと思うのです。
 ただし、息の短い人もある。高齢になれば肺活量は当然衰える。そういう人は一唱において何度息つぎをしても構わない。ただし息を継ぐごとにいっぱい伸ばすのでなく、全体の長さに合わせて唱え奉るのです。そうすれば大勢で唱えるときは少しは長くなるが、それは宜しい。
 かくて、全国どこの会館の勤行も、同じリズムで唱え奉ることができる。まずこのお題目三唱のリズムを整えて、新しい広宣流布の前進をしていきたいと思っております。
 
 期を画する大人事
 
 さて、きょうの総幹部会は、顕正会始まって以来の大人事ですね。
 まず顕正会の本陣を守り堅める理事室が、理事長以下九人の新陣容となった。また男子部できょう発令された隊長以上の幹部は二十八人、同じく女子部の区長以上は三十三人、婦人部の支区部長以上は十人、計七十一人です。
 一人ひとりに辞令を授与していると、これだけで一時間以上かかってしまう。総幹部会が辞令授与だけで終わってしまう(爆笑)。そこで、あのように、読み上げだけにしたというわけです。これまで、隊長・区長・支区部長という大幹部の辞令授与を、読み上げだけで省略したことは一度もない。
 まさしく大規模な前進が始まるゆえに、大規模な人事がなされたのであります。これで男子部は全国で十九箇部、百四箇隊。女子部は二十四箇部、百四十四箇区。婦人部は十八箇部、八十二箇支区の大陣容となった。
 
 「六ヶ所支区」
 
 さきほど、婦人部の支区の中に「六ヶ所支区」というのがあって、驚きましたね。 仏法では、この娑婆世界を同居土(どうこど)という。六道の凡夫と聖人が同居しているから、同居土というのですが、六ヶ所村は、日本を潰滅させる地獄の時限爆弾と、人を救う菩薩界が同居している。
 私は、下北半島の顕正会員が熱烈に燃え立っている姿をみて嬉しい。下北半島には六ヶ所再処理工場だけではない、東通原発もあるし、さらにマグロで有名な大間原発もある。早く危険を取り除かなければいけない。
 下北半島は過疎地ですよ。電力会社というのは悪質ですね。原発と、もっと危険な再処理工場をここに集めちやった。おカネをバラまいて地域の人々を龍絡したのです。
 地元の自治体も住民も潤って喜んだが、これは「香典の前渡し」ですよ。もし原発事故が起きたら、下北の人たちが犠牲になるのです。過疎地の犠牲において発電し、その電気は大都市で使う。この狡い企みが、今すべて分かってきたのです。
 このたび「六ヶ所支区」ができましたがまさに同居土。顕正会が地涌の菩薩として、この穢土の日本を変えていかなければいけないのであります。
 
 いよいよ戦闘開始
 
 さて二月から、いよいよ大法弘通の開始であります。二・三・四月法戦の誓願は、一万九千といたします。
 そして二月は、成人式のビデオ放映を全国で開催します。成人式のビデオ放映はこれまで行なったことがない。しかし今年は稀にみる大雪の中を、全国から新成人が馳せ参じてくれた。その新成人たちの信心があまりにけなげであったこと。
 そしてこの成人式において、大聖人様の絶大威徳をお示し下された「日蓮によりて日本国の有無はあるべし」との重大の仰せについて、大事な指導をしたので、全顕正会員がこの大事を心腑に染めるべきと思い、放映することにしたのです。どうか広く呼びかけてほしい。そして全員が、御本仏の絶大威徳を胸に刻んで、確信と情熱と麗しい団結で誓願を大きく突破してほしい。
 こう強く念願しておりますが、みなさん、どうでしょうか。(大拍手)
 

 これから日本はどうなるのか

 
 さて、これからの日本はどうなるか。
 安倍政権はデフレ脱却や対中国問題で民主党政権との違いを示そうとして、ウケ狙いのパフォーマンスを次々と繰り広げているが、仏法を立てない以上は必ずすべてが裏目に出るのです。
 
 四大災難みつめよ
 
 いいですか。よーく見てごらんなさい。今の日本は巨大地震・原発災害・国家破産・他国侵逼の四大災難が迫り、もうすでに八方塞がり、亡国を待つのみとなっているではないか。
 権力と名利だけを追っている政治家には、これが見えないのです。
 
 巨大地震の連発
 
 まず首都圏直下地震・南海トラフ巨大地震は、もう足下に追っている。これだけで日本は潰滅的になってしまうではないか。
 
 原発という時限爆弾
 
 また日本列島には原発という時限爆弾が五四基も埋められている。現在は停止中であるが、まだ一基として廃炉になったものはない。もし巨大地震があれば、これらは直ちに放射能を吐き出す「魔物」に変身する。
 しかしこれを心配する政治家はいない。バカではないかと思う。頭が悪くなければ心が冷たいのです。
 先はどの体験発表でもありましたね。原発事故により、我が家に住むことができない。知らない土地の仮設住宅に住む。まさに土地を奪われ、家を奪われ、職業を奪われ、家族はバラバラ。切々たる体験発表を聞いていて、私は涙が出てきた。誰がこういうことをしたんだ。政治家はこの痛みがわからないのか。
 だから私は言いたい。福島原発の事故はまだ終わってないのです。4号機は地上敷十メートルのところに使用済み燃料プールがあり、辛うじて応急処置の支え柱で保っているだけなのです。震度6強の地震が発生したら忽ち崩れ、使用済み核燃料は地上にころがる。
 そうなったらたいへんです。外国の識者が「日本だけでは済まない、北半球が危なくなる」といって心配しているのに、当の日本の政治家で声を上げる者は一人としていない。私は「バカ」といいたい。バカでなければ国民を思う心がないのです。 しかし危ないのは福島だけではない、日本の五四基すべてにその危険があるのです。早く核燃料棒のすべてを取り出だし、日本の科学の叡知を集めて、急ぎ安全対策を講じなければいけない。
 
 国家破産
 
 さらに国家財政を見れば、一千兆円を超える大借金の重みで日本経済は背骨が折れそうになっている。国家破産はすでに回避不能の状態に陥っているのです。
 
 他国侵逼
 
 そして何よりも重大なことは、御在世の大蒙古を思わせる軍事超大国・中国の侵略が刻々と迫りつつあることであります。
 目先の権力闘争に明け暮れている政治家たちは「火宅にあそぶ子ども」と同じで、この四大災難の深刻さがわからない。それでいて、アルジェリアでわずかの人質事件が起これば「情報が足りない、足りない」といって大騒ぎをする。
 もし全日本人が震え戦くような他国侵逼が事実となったらどうするのか。ゆえに立正安国論には「其の時何んが為んや」と誡め給うのであります。
 これら亡国の災難は、すべて仏法より事起こる。ゆえに仏法を立てなければ、何をやっても必ず裏目に出る。この道理を大聖人様は「夫れ遅きはまりぬれば兵法もいらず、果報つきぬれば所従もしたがはず」と御教示下されているのであります。
 

 国家破産が早まる 

 
 今月二二日、安倍政権はついに日銀を屈伏させ、金融緩和について共同声明を発表しましたね。
 その内容は、デフレ脱却を旗印として「物価上昇率の目標2%」と決めた。さらに期限を設けず金融市場におカネを流し込む新たな金融緩和策を二〇一四年の初頭から開始するという。日銀の白川総裁はついこの間まで、安倍首相の主張を批判して正論を吐いていたのでしょう。
 物価上昇率目標については「財政再建や経済に影響が出る」といって反論し、国債引き受けについては「通貨の発行に歯止めが利かなくなる」と苦言を呈し、ことに日銀の独立性については「歴史の苦い教訓を踏まえて考えられた制度である」と絶対に譲らぬ構えを見せていた。
 
 日銀の屈伏
 
 だがあっというまに腰砕けになってしまった。政府のいいなりになってしまった。 もし自説が正しいと信ずるなら、世間にも「内に省みて疾しからずんば、夫れ何をか憂え、何をか懼れんや」また「千万人と雖も吾往かん」という言葉もある。なぜこの気概に白川さんは立たなかったのか、まことに残念です。
 これを大勢順応というのです。大勢順応では、己の保身はできても、国が保たなくなる。
 これで日銀の独立性は失われてしまった。安倍首相は共同声明について、「金融政策の大胆な見直しという意味において画期的な文書である。政策のレジームチェンジだ」などと胸を張った。
 
 悪性インフレ国債暴落
 
 しかし、日銀が政府のいいなりになって、お札を刷って国債を買うだけの「印刷マシーン」に成り下がったら、国の財政は崩壊してしまう。
 日本はすでに一千兆円の大借金がある。極めて危険な水域にあるのです。そのうえに国債が濫発されてカネがジャブジャブ市中に出回ったら、一時的に株や不動産が上がって景気がよくなったように見えても、やがて制御の利かない悪性インフレが始まり、通貨と日本国債の信認が失われる。そうなれば円と国債は暴落し、長期金利は跳ね上がり、あっというまに国家破産が現実になるのです。
 そのとき、政治家は誰も責任とらない。安倍音三さんも「ボクまたお腹が痛くなった」(笑)といって辞めれば済む。
 だが国民は逃げられない。ハイパーインフレで生活が破壊され塗炭の苦しみに喘ぐのは、まさに国民なのであります。
 

 他国侵逼 仏法より事起こる

 
 次に、中国について申します。
 昨年の尖閣諸島問題以来、多くの日本人は片思いの「日中友好」の夢から醒めた。はじめて中国の異常な侵略性に気がついた。
 
 空虚な強がり
 
 昨年九月から十月にかけて、日本の主要月刊、週刊誌のほとんどは、「日中もし戦わば」のシミュレーションを特集しておりました。
 その論調は概ね「日本がその気になれば中国に勝つのは簡単」というようなものでした。
 今月発行の一月刊誌などは、「中国が戦争に弱い13の理由」とのタイトルで十三人の専門家の論文を掲載しておりました。
 その中で元航空幕僚長という人物は「いま中国軍と自衛隊が戦火を交えれば、中国軍に勝ち目はない。兵士の技量や緯度が自衛隊に遠く及ばないからだ」などと書いていた。
 これらの論評は、目先の一手しか見ていない。素人だましの強がりですよ。
 たしかに戦争の第一段階、尖閣諸島海域に限っての戦闘ならば、日本の海軍・空軍が勝つかもしれない。しかし戦争が第一段階で終わるという保証などはどこにもない。一時的勝利・局地的勝利だけを論じても、何の意昧もないではないか。
 今日の戦争において、その帰趨を決するのは核兵器です。中国の核弾頭ミサイルは、アメリカ本土の大都市をも潰滅する能力をすでに持っている。況んやすぐ傍の日本列島においておやです。
 いや核使用の前段階のサイバー攻撃だけで、日本の軍事能力も都市機能も、瞬時に麻痺してしまう。
 この圧倒的な中国の軍事力を過小評価して強がる風潮こそ、空威張りで危ない、と私は思っております。
 
 アルジェリア人質事件
 
 このたびのアルジェリアの人質テロ事件を見てごらんなさい。日本政府は現地の情報を全く掴んでないでしょう。官房長官は「情報が錯綜している」と繰り返すだけだった。
 日揮はアルジェリアとの関係が深いから、あるていどわかる。政府は日揮から得た情報を発表しているだけ。政府のやったことは政府専用機の派遣ぐらいなことです。
 二〇一〇年に、北アフリカから中東にかけて連鎖的な民衆暴動が起き、次々と政権が転覆した。この事態を日本のマスコミは一斉に「アラブの春」などと囃(はや)していたが、私は総幹部会で「各国が無政府状態になるだけ」と言ったが、まさにそうなったでしょ。今この無政府状態の諸国は、イスラム系テロ組織が跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)する格好の温床になっている。その一つがアルジェリアなのです。
 だからアルジェリア政府は軍隊を使ってテロ組織と激しい殺し合いをしている。その犠牲者は十五万人から二十万人と伝えられている。まさに血で血を洗う殺戮が続けられているのです。
 安倍首相は、アルジェリアの首相に電話して、「人命尊重を第一に」と要請したという。しかし強行突撃がなされたので、再び電話で「人命尊重といったのになぜ」と抗議したという。これも見えすいたパフォーマンスですね。
 いいですか。アルジェリアはテロリストとの戦いで十五万人の犠牲者を出している国ですよ。日本とは常識が連う。「人命尊重」と言ったって通ずるはずがない。そのような危険きわまる地域で、日揮の企業戦士は働いていたのです。
 先月の二一日、シリアとイスラエルの国境にあるゴラン高原で国連のPKO活動に参加していた自衛隊が帰国した。部隊長が「一人の犠牲者もなく全員無事に帰ってまいりました」と報告していたが、それはそれでたいへん結構です。しかし自衛隊は他国の軍隊に守られ、そのうえ周辺状勢には神経を張りめぐらしている。もし自衛隊員が犠牲になれば政権が追求されるからです。そして周辺に危険が追って来たので、防衛大臣が命令して帰国させたということです。
 しかし民間企業の日揮は、誰にも守られてない。そしてあの悲劇となったのです。こんどのアルジェリア人質事件をみて、私は中国に進出している日本企業の従業員が心配になって来た。企業数といい、人数といい、アルジェの比ではないですよ。
 どれだけ中国に日本企業が進出しているかというと――、二〇一一年末現在で、企業数は二二、七九〇社。それに伴う中国在住の日本人は実に一四万九三一人であります。
 もし日中戦争が始まったら、これら在留邦人はみな人質になる恐れがある。その法的根拠は、二〇一〇年七月一日に施行された「国防動員法」です。日本のマスコミはこの法律をほとんど報道してないから、あまり知られてない。私は当時、総幹部会でこの国防動員法を「恐ろしい法律だ」と説明しました。
 
 進出企業も対象
 
 この法律は、戦争などの有事の際、中国の人民を総動員して長期戦に備えることを目的としたものですが、総動員する対象は中国人民だけではない。中国に進出している外国企業も対象になるのです。
 たとえばトヨタなど日本の自動車メーカーの工場も、有事の際には中国の軍事徴用に従わなければならない。従業員も当然、人民解放軍に協力させられるという恐ろしい法律なのです。
 だから、もしこの法律が中国の国家主席から発令されたら、その時点で、中国に進出している日本企業の従業員は帰国できなくなる。
 中国という修羅の国に企業が進出することがどれほど危険か。「膨大な市場」ということで、日本企業は先を争うように進出したが、イザというとき日本政府は守ってくれないのです。だから、有事の前に早く引き揚げたほうがいいと私は思っております。
 
 敵国条項
 
 またもう一つ、中国はいつでも日本を一方的に攻撃することができる。
 その法的根拠は何かというと、国連憲章第五三条と第一〇七条の「敵国条項」です。
 この敵国条項とは、第二次大戦において米国・英国・ソ連・中国等の連合国と日本・ドイツ・イタリア等の枢軸国が戦ったが、日本・ドイツは負けた。勝った連合国側は国連憲章を制定した。このとき、国連加盟国の敵国であった日本とドイツに対して適用する条項を作った。それがこの「敵国条項」です。
 その趣旨は もし日本およびドイツが、再び侵略的な行動を見せたとき、あるいは第二次世界大戦で出来た国際秩序を棄損する行為に出たときには、国連加盟国は、安保理の決議や承認がなくても、自国の判断で日本またはドイツに対して軍事的制裁ができる ―― というものです。
 中国はこの「国連加盟国」の一つになっている。厳密にいえば疑義があると私は思っている。ということは、国連加盟国になったときの中国政府は今の中華人民共和国ではない、蒋介石のチャイナ、国民政府だったのです。
 いまの中国は、中国共産党がこの国民政府を台湾に追い落して、一九四九年に毛沢東が「中華人民共和国」として建国したものです。しかし国家は継承されているとして、いまこの「敵国条項」を適用しようとしているのです。
 
 不気味な楊外相の演説
 
 昨年九月、中国の楊潔ち外相が国連総会の演説において「日本は尖閣諸島を盗んだ」と発言して唖然とさせたが、その狙いはまさしく「敵国条項」を念頭に置いてのことです。
 演説の要旨はこういうものでした。
 (1)日本による尖閣諸島国有化は、再び中国の主権を侵害せんとする日本の侵略行為である。
 (2)日本のこのような行動は、第二次世界大戦後にできた国際秩序を破壊する行為である。
 (3)日本の行為は、国連憲章の原則と精神に違反する挑戦である――と。
 習近平もこれと同じ趣旨のことを、アメリカのパネッタ国防相長官が訪中したときに述べてますね。
 ということは、中国は国連憲章の「敵国条項」を適用すればいつでも日本を攻撃することができるということ。そしてその決意をすでに固めているということであります。
 
 米国も拒否できぬ
 
 この敵国条項を持ち出されたら、アメリカも拒否できない。日米安保も発動できない。かくて日本は孤立するのであります。
 いいですか。中国が圧倒的軍事力を背景に、「国防動員法」で在留邦人十数万人を人質にし、「敵国条項」で突如侵略してきたら、日本はどうすることもできない。ただ滅亡を待つのみとなる。
 
 仏法より事起こる
 
 これが諸天の治罰なのであります。仏法より事起こる大国難であれば、仏法を立てなければ必ず日本は亡ぶ。
 このとき始めて全日本人は「日蓮によりて日本国の有無はあるべし」との重大の仰せが、心魂に徹してわかる。いかに慢心している者も、頭を地につけ掌を合わせて「助け給え南無日蓮大聖人」「南無妙法蓮華経」と声をつるべて唱え奉るに違いない。
 大聖人様のこの絶大威徳を全日本人に教えるのは、忠誠を貫きとおす我が顕正会以外にはあるべくもない。
 さあ、二月からいよいよ戦闘開始。
 全員が大歓喜を胸に「力あらば一文一句なりともかたらせ給うべし」の戦いに奮い立ち、何としても大聖人様に応え奉ろうではありませんか。以上。(大拍手)

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