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 講中組織の整備と強化

     布教部長 阿部 信彰
        大白法 平成27年5月16日 (909)号
 
 本日は講頭・副講頭指導会へのご登山、まことにおめでとうございます。
 私からは「講中組織の整備と強化」につき、【僧俗一致の広布前進】をテーマに、要点的に少々申し上げます。
 日蓮正宗の各支部、講中は、指導教師のもと、講頭・副講頭を中心として組織が構築されておりますが、その目的は、申すまでもなく、本宗の存立理由である広宣流布にあります。
 故に、講頭・副講頭等の支部幹部は、それぞれの立場において、支部の活動に責任を持って、しっかり把握し、掌理することが肝要であります。仮に講頭・副講頭が、組織の上に乗って「よきに計らえ」というような無責任な姿勢では、講中の力強い前進は望めません。
 
 ただし、そこで各位にお考えをいただきたいことは、言うまでもなく、本宗信徒は、僧侶や幹部の私物ではありません。『化儀抄』に「信は公物」(日蓮正宗聖典 九八六ページ)と仰せのように、信徒はすべて、大御本尊様、大聖人様のご信者であり、総本山御法主上人猊下の信徒であります。
 従って幹部が、自分中心の個人的な考えや思惑によって、三宝様からお預かりしている信徒を、自らの信者であるかのように扱い、振る舞うことは、厳に慎(つつし)まなければなりません。
 そこで大切なことは、講頭・副講頭等の皆様は、本宗の血脈相伝を根本とする師弟相対の本義に則り、常に毎月の御法主上人猊下の御指南を拝し、御指南に則って講中の指揮を執ることが肝要であります。
 
 次に今後、平成三十三年へ向かっての講頭・副講頭の信行について、御指南に基づき要点的に申し上げます。
 

 一、御命題達成への「決意」

 
 御法主日如上人猊下は昨年十月広布唱題会の砌、「決意とは、決断であり、覚悟であります」(大白法 八九五号)と御指南あそばされました。
 講頭・副講頭各位には、御命題達成への精進を固く決意し、必ず御命題を達成すると決断し、覚悟を決めていただきたいと存じます。
 

 二、御指南の拝読と実践

 
 毎月の御法主上人猊下の御指南を、広布唱題会等支部の会合、広布推進会等布教区の会合は当然、各位には、日々の自らの信行の上にしっかりと拝読奉り、師弟相対して、御法主上人の御指南を根本に講中の指揮をお執りください。
 

 三、講頭・副講頭としての生き方

 
 自らが、人生において、広布の使命に生きることのできる福徳を仏祖三宝尊に感謝申し上げ、一切衆生救済の崇高なる使命と自覚と誇りを持って、正宗信徒にふさわしい自行化他・言行一致の振る舞いを心がけていただきたいと思います。
 

 四、折伏の推進

 
 折伏を行う理由とは何か、大聖人様の下種仏法の思想とは何かを、講頭・副講頭は簡潔に講員に語ることが大切です。要するに講員に折伏の動機、モチベーションを与えて、折伏を強力に推進するよう願います。
 

 五、信心即生活の率先垂範

 
 講頭・副講頭の皆様は、何事も指導教師に相談し、日々の信行において、「一心欲見仏不自惜身命」「身軽法重死身弘法」の信仰の姿勢のお手本を、信心根本の生活とは何かを、講員の方々に身をもって示していただきたいと存じます。
 

 六、講頭・副講頭の使命と責任

 
 講頭・副講頭の使命と責任の上で大切なことは、一般講員に、
 (1)折伏のやる気を起こさせる
 (2)折伏のやり方を教える
ことです。
 講頭・副講頭各位の、御本尊様、御法主上人猊下、指導教師に対する信仰姿勢が、そのまま役員・幹部、一般講員に反映します。言葉も大事ですが、ふだんからの、日常の振る舞いが大切です。
 講頭・副講頭の責任ある言動が信頼を生み、リーダーシップを自然に養います。
 

 七、講頭・副講頭としての資質の向上

 
 (1)指導教師を支え、講中組織を東ねる講頭としての信心を磨き、講中活動を掌理し、円滑に運営する力を身につけること。
 副講頭は、講頭を支え、あらゆる面で指導教師と講頭をサポートしてください。
 (2)基本を徹底すること。朝夕の勤行と唱題の実践、御講への参詣、登山への参加を、講頭・副講頭をはじめ役員が、信心の基本として率先して徹底してください。
 (3)愚癡を慎むこと。御法主上人猊下は、「愚癡は三毒の一つ。愚癡からは何も生まれない(趣意)」(本年四月正・副宗務支院長会議の砌)と御指南あそばされております。
 講頭・副講頭各位、幹部の愚癡は、講中にとって百害あって一利なしでありますから、慎まれるよう願います。
 

 八、支部組織を導くために『組織論』を身につける

 
 世間には様々な組織があり、それぞれの組織にはその組織を構築する理念・思想があります。
 日蓮正宗の支部組織の理念とは何か、またそれが単なる思想に止まらず、日蓮大聖大の下種仏法の理念・思想を具体的に実践し、実行していく体制に組織を導いてください。
 

 九、僧俗異体同心の実現

 
 大聖人様は、「異体同心なれば万事を成じ、同体異心なれば諸事叶ふ事なし」(御書 一三八九ページ)と御指南であります。支部内に、指導教師のもと講頭・副講頭と僧俗異体同心する協力者、活動者を増やすことが肝要です。
 そこでお考えいただきたいことは、異体同心とは、「日蓮と同意」(同 六六六ページ)と仰せのように、広宣流布へ向けての信心の上の異体同心であり、所謂(いわゆる)仲良しグループを作ることではありません。支部内のそういうグループは、逆に組織を乱します。
 

 十、組織活動の活性化と活動者の増加

 
 折伏・育成など、支部の活動において、その活動が一人乃至一部の信徒へ集中するのではなく、様々な支部活動を支部の組織活動として、多くの講員で分担し協力し合って、支部組織全体の活動を活性化していくことが大切であります。
 

 十一、折伏実践の準備の推進

 
 創価学会・立正佼成会、日蓮宗各派、浄土宗・浄土真宗等、謗法の諸宗教や諸宗派の邪義を的確に破折できるように、指導教師のもと、『諸宗破折ガイド』等の出版物を用いて、破折の勉強会を行ってください。
 いつ、どういう相手が来ても、どういう相手に出会っても、いつでも折伏が実践できるよう、法華講員に即応折伏の力がつくように、折伏実践の準備を推進してください。
 

 十二、目標と計画を立てて手早く活動

 
 折伏目標、支部総登山の目標、御講参詣の目標等々、一年間の講中活動の目標を年間目標や全体の目標とは別に、
 (1)短期・中期の目標
 (2)地区・班の目標
 (3)壮年・婦人・青年部等の目標など、支部の縦・横の各組織において明確な目標を立て、目標達成への具体的な計画を立てて、計画倒れにならぬよう、とにかく早く活動に入ることが大事であります。
 

 十三、動く組織作りと人材育成

 
 広布の戦士として、広布推進の主体者として、講員が折伏実践の活動に喜んで参加できる動く組織を作り、人材を育成していくこと。そして組織として布教の力をつけることが大切であります。
 

 十四、御命題達成へのプロセス

 
 (1)毎年早期に達成している支部の「真似」をする。毎年早期に折伏誓願目標を達成している支部は、多くのことに挑戦している。新しい活動に挑戦する方法として手っ取り早いのは、「成功している支部を見習う」こと。
 (2)今までにない「体験」をする。早期達成をしている支部の活動を真似して折伏が成就した。これは、今までにない体験となる。
 (3)今までにない「失敗」をする。早期達成をしている支部の活動を真似して、途中まではうまく進んだが、結局、折伏成就はできなかった。これは今までにない失敗体験となる。
 (4)早期達成への「コツ」に気付くこと。そうした失敗の体験から、話し方、折伏の進め方、諸準備等々、重要なポイント、コツに気付くことができる。習い、そして慣れることが早期達成に繋がります。
 
 以上、今後平成三十三年へ向かって、講頭・副講頭各位に心がけていただきたい要点について申し上げました。
 御法主日如上人猊下は本年「元旦勤行」の砌に、「出陣の先にあるもの、それは必ず勝利でなければなりません。(中略)未来広布を展望し、誓願達成・広布達成の大志をもって、法華講員八十万人体勢の構築に向かって、惑わず、憂えず、懼(おそ)れず、勝利への絶対的確信と意気衝天(しょうてん)の勢いをもって、一致団結・異体同心、勇躍として前進することが肝要であります」(大白法 九〇一号)と御指南あそばされ、

 去る三月七日の「講頭会」の折には、
(1)より良い作戦を立て講中全員が折伏に参加できる態勢を作ること。
 (2)勝利の秘訣は唱題をして異体同心すること。
 (3)平成三十三年への戦いはけっして楽な戦いではなく、厳しい戦いとなる。
 (4)その渦中にあえて臨んでいく決意と行動を起こさなければ、本当の幸せを掴むことはできない(趣意)」(同 九〇五号)と御指南あそばされております。
 
 講頭・副講頭各位には、ただ今申し上げた、またこの後賜る御指南を心肝に染めて、自行化他の信行に励まれ、ご参集各位、全支部が、平成三十三年の御命題を必ず達成せられますようお祈り申し上げます。   

    布教部長 阿部 信彰 大白法 平成27年5月16日 (909)号



 出家(弟子・僧侶)と在家(檀那・信徒)は、その役割が違います。
 「然るに在家の御身は 但余念なく南無妙法蓮華経と御唱えありて 僧をも供養し給うが肝心にて候なり、それも経文の如くならば 随力演説も有るべきか」(松野殿御返事)。 
 
           櫻川 忠 (平成27年06月25日)
 

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